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 今週末に行われた他のブンデスリーガ1部、2部の試合会場と同様に、VfLボーフム対1.FCウニオン・ベルリン戦もまた、開始から12分まで異様な雰囲気に包まれることになった。これはブンデスリーガによる新たな投資家参入の可能性に向けた賛成票に対する、ファン団体からの抗議運動であり金策に走る事への非難として、12分の沈黙が経過した後には、テニスボールをコインチョコをピッチに投棄。結果、そこでプレーが中断され、スタッフらによってそれらは回収されていったのだが・・・。

 そこで1つのコインチョコを手に取った浅野拓磨は、それを開梱して口の中へ!まさにこのチョコレートから注入されたエネルギー熱量が、日本代表ストライカーに火をつけたかのようなオーラを生み出すと、2度にわたるオーバーヘッドキックの後、前半終了間際に見事なボレーで豪快な先制ゴールを叩き込み、さらに勢いに乗った後半ではGKリーマンにボールを要求。そこから起点となってパシエンシアの追加点に繋げるなど、重要な下位直接対決において後半からウニオンを圧倒したボーフムの原動力となった。

 「チョコレートを目にしたので、それを手にとったんです」と、浅野拓磨はスカイとのインタビューにて笑顔でコメント。基本的に甘いものが好きだという浅野だが、しかしながらアスリートとしてチョコレートなどのようなお菓子は控えるようにしているという。「あのチョコが、僕にパワーをくれましたね。食べて良かったですよ」無論、これは気の持ちようという部分も少なからずあるだろうが、それでもこれを聞いて同僚のシュテーガーは「なんだ、あのチョコがラッキーアイテムになるって、浅野が言ってくれたら、僕だって絶対手にしていたのに!」と大笑いしている。

 ただ実際、その”チョコレート・ドーピング”が功を奏したのかは別として、自身もPKを決めて3−0としているシュテーガーは、「浅野は本当に素晴らしいプレーを見せていたね」と賛辞をおくりつつ、改めてチームとして特に後半でウニオンを圧倒した戦いぶりに、「前節は善戦しながらも結果として報われなかった中で、年内最後のホーム戦での気迫のこもった戦いをお見せできたと思う」と胸を張った。

 なおレッチュ監督によれば、チョコを拾い食いしたことに「気づかなかったから、味がどうだったかは、まだ聞いてない。でもまた得点するようなら、コインチョコを用意することも考えないといけないな」とコメント。次の機会は、今季ここまで無敗と絶好調の首位バイヤー・レヴァークーゼンだが、相手ファンとしてはまた抗議運動をするにしても、コインチョコをピッチに投げ込むことは少し考えた方が良いかもしれない。