トイレ1つの2階建て。コスト&掃除の手間をカット、代わりにワークスペースを実現
2階建ての家では、それぞれの階にトイレを設けるのが一般的。しかし、そのことで建築費が上がり、スペースも必要になります。1年前にコンパクトな注文住宅を建てた日刊住まいライターは、2階にはトイレを設けず1つだけに。結果、2階にテレワークスペースができました。30万円コストダウンできて、面倒なトイレ掃除も半分に。暮らし始めてから「よかった」と実感した5つのことを語ります。
2階トイレの必要性を考え直し1階のみに
筆者は現在、妻と2人暮らし。1年ほど前に総2階、延床面積31.5坪の注文住宅を建てました。
ちなみにでき上った家の間取りは、以下のとおりです。
1階:LDK 洗面 浴室 トイレ
2階:主寝室 子ども部屋(将来部屋に分ける予定) WIC 書斎 納戸
この間取りを見て意外に思った方もいると思います。じつはわが家は、2階にトイレをつくりませんでした。
確かに2階建てであれば、1階と2階の両方にトイレがある間取りが一般的です。しかし、昨今の建材や設備の価格が高騰するなかでの家づくり。筆者は、建築費を抑えるために、できるだけムダを省き、コンパクトに建てようと考えたからです。
コンパクトな家を建てるとなると、坪数を減らすことになります。そうすると、居室を減らす・廊下をなくすなど、いかにムダなスペースをなくすかがポイントになってきます。
そうしたなか、2階トイレの必要性を考え直し、1階のみで十分という判断をしました。1年間住んで、その判断は正解だったと思っています。その理由を紹介しましょう。
トイレを1つにすることで、コストダウン&掃除の負担減
当初、階段を上がりきった2階正面の場所に、トイレがある間取りを提案されました。約2畳のスペースにトイレと小さな手洗いをつくるというプランです。
トイレの設備機器を入れると、それなりの費用がかかります。わが家では、トイレをやめたことで約30万円のコストダウンができました。これが1つ目のよかったと思うことです。そしてこの場所を納戸とすることで、収納を確保することもできました。
トイレをなくしたメリットはまだまだあります。水回りは掃除も面倒ですが、2つを1つにしたことで、掃除の手間も半分になったのです。
このようにトイレを1つにするだけで、コストダウン、収納の確保、掃除の手間を減らすという、3つのメリットがありました。
現在は納戸をワークスペースとして活用
じつはわが家には、妻の部屋がありません。妻が自分の部屋はいらないと言っていたので、つくらなかったのです。しかし、いざ住み始めると仕事はテレワークがメインに。自分の部屋がないので、リビングで仕事をすることになったのです。
そこで、このスペースを活用することを検討。当初は、収納として使う予定でしたが、ウォークインクローゼットで十分たりているので、あいている状態だったからです。
妻も、テレワークに集中できるよう、こもれるこのスペースを使いたいということに。現在はデスクを置き、テレワークをするスペースとして活用しています。
これが4つ目のよかったと思うことです。
写真を見るとわかるように、2畳でも幅120cmくらいのデスクが置けます。いい感じのおこもり感があるので、妻も仕事に集中しやすいと言っています。
パイプスペースがなくなり脱衣所に収納がつくれた!
2階にトイレがある提案の段階では、その下にある脱衣所には収納がありませんでした。パイプスペースを確保しなければならなかったからです。ですから、バスタオルや着替えをどこに収納するか気になっていました。
しかし、2階のトイレをなくすことで、1階にパイプスペースをつくる必要がなくなったのです。代わりにこのスペースを利用して、収納をつくることができました。
この収納には、バスタオルや着替えの下着のほか、洗剤などのストックを置く場所としても活躍しています。これが5つの目のよかった点。ここに収納があって、本当に助かっています。
また、収納のいちばん下は、コンセントを設けロボット掃除機の基地になっています。
ロボット掃除機は、LDKにあるとインテリア的に見栄えがよくないので、脱衣所に隠せてよかったです。
1階のトイレの位置は階段に近い場所に
上の間取り図のように、1階のトイレは階段に近い場所につくりました。このことで、朝起きて2階から直接トイレに行くときもスムーズです。
もしトイレが階段から離れた位置にあったら、2階からトイレに行くのが面倒になったと思います。
結果、わが家の場合、トイレと洗面所が離れた間取りになりましたが、このことでとくに不便には感じていません。
唯一困ったのは感染症にかかったとき
1年暮らしてみて、トイレを1つだけにしたことでの後悔はありません。ただ1度だけ、家族が感染症にかかったときは困りました。
2つあれば感染症にかかった人、かかってない人で使い分けることで、家庭内での感染リスクを下げることができます。しかし、わが家のように1つの場合は、家族全員同じトイレを使うしかありません。
しかし、そのような状況になることは、めったにないこと。それよりも、ワークスペースとしても使える納戸をつくったことと、洗面所に収納スペースが生まれたといった5つのメリットの方が、断然大きかったと感じています。