72歳・年金月5万円で暮らしを楽しむ工夫。「お金がないから不幸」ではないと気づいて
お金をかけなくても豊かな暮らしをしている人にクローズアップ。72歳ひとり暮らしのブロガー・紫苑(しおん)さんに、月5万円でも豊かな暮らしができる理由を教えてもらいました。「『今の私にとって、なにが幸せか』を考えたらお金はそんなにいりませんでした」と語る紫苑さんの暮らしの秘訣とは?
お金に振り回される生き方を卒業しました
紫苑さんがお金の現実に直面したのは3年ほど前。年金受給開始後も続けていたライターの仕事が、コロナ禍で激減したのです。
「年金の少なさ(月5万円)に呆然としました。お金に疎いばかりか『怖いから詳しいことは考えない』タイプ。でも、ただ困っていてもなにも解決しない。これは考えねば、と」初めての「老後」への焦りと不安に直面しつつ、試行錯誤が始まりました。
●金がないから不幸?「お金がないと楽しめない」のが不幸なんだと気づいた
「少なくとも月5万円は入ってくるんだ。当たり前なんですが(笑)、そう思ったら希望が持てた。なら、それをどう使おうか。そもそもお金がなくて困ることって、何だろう? と考えてみたんです」
それが次の3つ。
(1) お金がないことが恥ずかしい
(2) 欲しいものが買えない
(3) 病気になったら困る
「じっくり考えてみると、(1)はコロナ禍で見栄を張る場所も減ったし『もはやどうでもいいこと』。(2)も『買うこと』自体がエンタメになっていただけだった。改めてものを持つ意味や持ち方を考えるきっかけに。それより大切なのは(3)でしょう! と。結果、お金がないことが不幸なんじゃない。お金がないと楽しめないことが不幸だったんだ! と気がついたんです」。
こうして紫苑さんの「節約を楽しむ」暮らしが始まったのです。
●「暮らし彩りを添えて、楽しく」紫苑さんのインテリアの工夫
室内にはフェイクプランツを。水やり不要なので、エスニックな布を鉢カバー代わりに巻きつけてオシャレに!
知人が家を解体する際に廃棄されることになった障子を譲り受け、窓上に飾ってみました。「築50年以上の家だけど、ちょっとした工夫で自分好みにできるんですよ」
『ゆとりある日々を過ごしている人の素敵なお金の使い方 2024年度版』(扶桑社ムック)では、今回紹介した以外にも、自分らしいお金の使い方で幸せに暮らしている人たちを紹介。そのほか、年金のもらい方、老後の安心な住まいなど、プロのアドバイスも満載です。