掲載:THE FIRST TIMES

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*高松瞳の高は、正しくはしごだか
=LOVEが10月19日(木)に埼玉・さいたまスーパーアリーナにて、デビュー6周年を記念したコンサート『=LOVE 6th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT』2日目の公演を行った。

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2017年9月にデビューした=LOVE(通称:イコラブ)は、2018年9月に『=LOVEデビュー1周年記念プレミアムイベント』を東京・Zepp DiverCity(TOKYO)で開催。以降、中野サンプラザホール、パシフィコ横浜 国立大ホール、幕張メッセ・イベントホール、国立代々木競技場 第一体育館とキャパシティを拡大し続け、今年は過去最大規模となるさいたまスーパーアリーナで10月18日(水)と19日(木)の2日間に渡って開催。両日とも、Huluにて、マルチアングルによる生配信も行われた。

■15人編成のオーケストラが登場

冒頭は巨大な本棚から浮かび上がった1冊の本から映し出された高松瞳の映像からスタートした。彼女が置物を開くと音符と妖精のようなカラフルな光の粒が飛び出し、やがて、メインステージにピンスポットが照らされ、ひとりの指揮者が姿を現した。彼の指揮に合わせて、ステージ全体を覆っていたスクリーンが開き、15人編成のオーケストラが登場。続いて会場全体に妖精の粉が撒かれたようなサウンドが流れ、高松がセンターステージに姿を見せた。ストリングスとホーンセクションによる上質で優美な調べに導かれるようにして、記念すべき1stシングル「=LOVE」のDメロパートをしっとりと歌い上げた彼女は、ファンに向けて“君を探していた”というフレーズをしっかりと贈った後、満面の笑顔を見せてお辞儀をすると、くるりと後ろを振り向き、花道を駆け抜けて、他メンバーが待っていたメインステージに合流。続いて、歌詞にある“グレンチェックのマフラー”を巻いて全員で踊る「僕らの制服クリスマス」、4年後のアフターストーリーが描かれた「The 5th」というクリスマスソングを連続でパフォーマンス。オーケストラとはこの3曲でいったんお別れとなったが、「僕らの制服クリスマス」ではファンファーレのような華やかなホーンセクションが鳴り響き、「The 5th」のアウトロでの雰囲気たっぷりのストリングスなど、曲の情感を美しく引き立てていた。

続く「Want you!Want you!」からは、観客との距離がグッと近づく演出が用意されていた。メンバーが走ってメインステージからセンターステージへと移動すると、円形のステージがスタンド席付近まで上昇。観客全員が声を合わせて「=LOVE」と叫んだあと、『「君と私の歌」』では、センターステージから上下左右の十字に分かれた花道を渡り、後方ステージに集合してポーズを取り、躍動感いっぱいのパフォーマンスを繰り出していた野口衣織が「見つけてくれてありがとう」と笑顔で伝えた。さらに、「お姫様にしてよ!」では、トロッコに乗り込み、場内を周回しながら、音嶋莉沙の掛け声による特別バージョンのコール&レスポンスが実現。思わず“全部、神席じゃん”と呟きたくなるようなブロックとなっていた。

■デビューからの6年間で個々の表現力と幅が広がっていることを示してみせた

MCを挟んで、たっぷりと声出しを楽しんだあとは、ユニット曲が連発された。大場花菜を中心に、音嶋莉沙、齋藤樹愛羅、高松瞳、瀧脇笙古、山本杏奈による「ラブロケ」ではメタリックな衣装でスペーシーなムードを生み出すと、野口衣織のソロ曲「拝啓 貴方様」を諸橋沙夏が歌唱。真紅のドレスに身を包んだ彼女がコブシを効かせながら艶っぽく情熱的な歌声を響かせると、会場全体が彼女のメンバーカラーであるグリーンのペンライトで埋め尽くされ、大谷映美里が「みりにゃでーす。」と挨拶し、場の空気を一気に和ませた「Sweetest girl」では、スペシャルゲストとして、シナモロールが登場し、ガーリィーでキュートな世界観を展開。「わたし、魔法使い」では佐々木舞香と野口衣織のふたりが楽曲の衣装でステージに現れた瞬間に大歓声が湧き上がる中で、普段のクールで切ない表情とは異なるアイドル全開の笑顔を届け、満員のファンを魅了。楽曲ごとにテイストの異なる多彩さを見せ、デビューからの6年間で個々の表現力と幅が広がっていることを示してみせた。

そして、ここで11月29日(水)に15枚目のシングルとしてリリースされる新曲で、齋藤樹愛羅が表題曲としては初めてセンターを務める「ラストノートしか知らない」を披露。手首につけた香水を香るようなフリや切ない表情、細かい目線の動きも印象に残るラブソングで、メンバーの歌唱力もしっかりと味わえる構成となっていた。

■ダークでメランコリックな哀感も表現できることが彼女たちの最大の強み

続いて、大場、樹愛羅、瀧脇、野口、山本の5人が鋭くしなやかダンストラックで会場の熱気を高めると、彼女たちは客席を背にポーズを取った。スクリーンには5人と観客が映っていたのだが、そのカメラの先にセンターステージで待っている大谷、音嶋、佐々木、高松、諸橋の5人のメンバーの姿が見えた。この場面の演出、視線の誘導はかなりダイナミックだったので、もし機会があればアーカイブ映像で見てみてほしい。小悪魔な歌詞のダンスナンバー「CAMEO」ではレーザー光線とスモークが交錯し、妖艶な雰囲気の中、演技とダンスが見事に融合したミュージカルテイスト溢れる「祝祭」では落雷をイメージしたかのようなホーンセクションが轟き、儚い失恋ソング「あの子コンプレックス」では雨が降り続ける音声の中でメンバーは笑顔を封印してパフォーマンス。「祝祭」「あの子コンプレックス」の2曲ではストリングス隊が加わり、狂おしい感情に寄り添っていたが、明るくハッピーで夢見るような気分にさせてくれるだけでなく、ダークでメランコリックな哀感も表現できることが彼女たちの最大の強みだろう。

さらにそこから一転し、本編後編はギター、ベース、ドラム、キーボードによる生のバンドサウンドによって熱量の高いステージが展開された。観客の半数以上が彼女たちと同世代の女性ながらも、「オイ!オイ!」という大きなかけ声も確実に鳴り響いた「Junkies」、樹愛羅が「さいたまスーパーアリーナ、全員声出していくぞ!」と煽った「いらない ツインテール」、高松の「タオル回しちゃってください!」と呼びかけを合図に観客が一体となってタオルを回した「Oh!Darling」。メンバーの自己紹介ソング「ヒロインズ」を挟み、メンバーが旅をする映像と当日の生カメラによる映像をリンクさせた「ナツマトペ」では音嶋が“だって6周年だよ!”と歌詞を変えて歌うと、ピアノの調べが淡い夏の思い出を引き連れてきた青春ラブソング「この空がトリガー」では佐々木の独唱もフィーチャー。「探せ ダイヤモンドリリー」ではアツすぎるコールとともにクラップが湧き上がり、会場全体がひとつとなったところでコンサートはいよいよクライマックスへ。

■7年目のさらなる躍進を期待させる勢い

「この6年間、出会いや別れ、うれしいことも苦しいことも全部、このメンバーと分かち合ってきました。=LOVEがみんなでよかったなって心から思っています。この空間にあるすべてが私たちにとって宝物であり、終わらない青春です!」という高松の言葉に導かれた「青春”サブリミナル”」では、スクリーンに合宿から現在に至るまでのヒストリー映像が流れる中で、観客に向けて“君でした/君がいい”というフレーズを真っ直ぐに届けると、大合唱も沸き起こり、樹愛羅は曲中で“6周年ありがとう! 私たちの青春はまだまだ終わらないよ”と叫んだ。そして、センターステージで円になったメンバーが外に向かって一歩踏み出した瞬間に金テープが発射され、7年目のさらなる躍進を期待させる勢いとともにライブ本編は締めくくられた。

アンコールでは、『「部活中に目が合うなって思ってたんだ」』で客席に登場して観客を歓喜させ、「だからとて」の曲中には瀧脇が「今日は皆さんに会うことができて、本当に本当に幸せです。見つけてくれて、出会ってくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝え、「これからもたくさん思い出を作っていきましょう」と約束。諸橋は「みなさん、一人ひとりが私たちにとってかけがえのない宝物です。6周年おめでとう」とファンを祝福してみせると、「ラブクリエイト」では会場中をハッピーなムードで包み込んだ。

最後のMCでは、樹愛羅が「最年少という言葉に甘えず頑張っていきたいと思います!」と決意を表明。続いて、佐々木が「みんなのために私たち、ステージで歌います、踊ります。7年目も私たちに恋慕ってね」と呼びかけた「夏祭り恋慕う」で泣きたくなるくらいの恋を表現し、ライブはエンディグを迎えた。

■ブロックごとに明確な意図とストーリーが伝わってくるライブだった

そして、メンバーが最後の挨拶を始めた途端にスクリーンに特報映像が流れ、2024年2月から4月にかけて初の=LOVEアリーナツアー2024『Tell me what’s more than ”LOVE”』を開催することが発表された。場内に歓喜の声が上がる中で、山本は「こんなに大事な発表があった後に、このまま終わりたくなくない!? 私、スタッフさんに怒られても知らない! リーダー特権、使っちゃうんだから!! もう1曲やりたくない!?」と声を上げ、「=LOVE」をパフォーマンス。デビュー曲で始まり、デビュー曲で終わった2日間の『=LOVE 6th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT』は最高の盛り上がりとともに幕を下ろした。オーケストラ、ファンサービス、ユニット、メランコリック、ロック、そして、王道の切ない青春ソングと、ブロックごとに明確な意図とストーリーが伝わってくるライブだった。

なお、見逃し配信は2公演とも10月28日(土)0:00~11月3日(金)23:59まで視聴できる。配信チケットは11月3日(金)21:00まで購入可能となっている。

TEX BY 永堀アツオ

『=LOVE 6th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT』
DAY2 10月19日 さいたまスーパーアリーナ

セットリスト
1. =LOVE
2. 僕らの制服クリスマス
3. The 5th
4. Want you!Want you!
5. 「君と私の歌」
6. お姫様にしてよ!
7. ラブロケ(大場花菜、音嶋莉沙、齋藤樹愛羅、高松瞳、瀧脇笙古、山本杏奈)
8. 拝啓 貴方様(諸橋沙夏)
9. Sweetest girl(大谷映美里、シナモロール)
10. わたし、魔法使い(佐々木舞香、野口衣織)
11. ラストノートしか知らない
12. CAMEO
13. 祝祭
14. あの子コンプレックス
15. Junkies
16. いらない ツインテール
17. Oh!Darling
18. ヒロインズ
19. ナツマトぺ
20. この空がトリガー
21. 探せ ダイヤモンドリリー
22. 青春”サブリミナル”
ENCORE
1. 「部活中に目が合うなって思ってたんだ」
2. だからとて
3. ラブクリエイト
4. 夏祭り恋慕う
5. =LOVE

ライブ情報

=LOVEアリーナツアー2024「Tell me what's more than "LOVE"」開催決定!!
<2024年>
2月3日(土)
兵庫県・神戸ワールド記念ホール
3月2日(土)
東京都・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ
3月23日(土) 愛知県・Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)
4月13日(土) 東京都・有明アリーナ
4月14日(日) 東京都・有明アリーナ