掲載:THE FIRST TIMES

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■「はじめに“サイコパス”というワードを受け取ったときに、どういう形で構築していくことが求められているのかなと考えました」(亀梨和也)

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映画『怪物の木こり』の完成報告会が10月31日に東京・esports銀座 studioで行われた。
東京国際映画祭のジャパンプレミアでの日本初上映に先駆けて行われた完成報告会。駆けつけた報道陣の前に、亀梨和也(KAT-TUN)、菜々緒、吉岡里帆、染谷将太、三池崇史監督が黒を基調としたシックな装いで登場。

まずはじめに、メガホンを取った三池監督が「今日はお集まりいただき、ありがとうございます。自分としてもやりがいのある作品で、好きな仕上がりに完成しました。皆さんの力を借りて多くの人に観ていただきたいです」と先陣を切り、続いてキャスト陣が挨拶した。

亀梨は「ハッピーハロウィン! いよいよ、公開が近くなってきましたので、たくさんの方に届くように時間を過ごしたいと思います」と晴れやかな表情を見せた。菜々緒は「本日はありがとうございます。短い時間ですが、よろしくお願いします」、吉岡も「本当にスリリングで面白い作品が完成しました」と挨拶。

最後には三池監督作品の常連でもある染谷が「サイコパス外科医を演じることができて、幸せでした。楽しかったです」と、ついにこの日を迎えた喜びを見せ、完成報告会は幕を開けた。

モニターにはメイキング写真や本編の場面写真が投影され、企画段階から撮影時の思い出までトークが繰り広げられた。

脳を奪い去るという猟奇的殺人事件の奇抜な設定と、叙述的なストーリーが話題となり『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した小説を映画化するにあたり、三池監督は「原作の面白さは、登場人物全員がサイコパスで、普通の人間の境目がないこと。人によってはこの作品をバイオレンスと捉えるかもしれませんが、僕にとってはヒューマンドラマ。その意外性も楽しんでほしい」と原作がもつ魅力についてコメント。

次に、オファーを受けた際の感想を問われたキャスト陣。亀梨はまず奇抜な設定に戸惑いがありつつも「はじめに“サイコパス”というワードを受け取ったときに、どういう形で構築していくことが求められているのかなと考えました。やりようがありすぎて、そこをしっかり定めていきたいなと考えていました」と語り、三池監督と会話しながら役作りを行ったことを明かした。

菜々緒は「プロファイラーという特殊な役柄ができるのかという不安はありました。独特な世界観のなかでキャラがどう立つか、考えながら演じました」と、原作とは一味違う戸城のキャラクターを一から作り上げたと語った。

吉岡は「サイコパスと殺人犯の対立構図がおもしろいと思いました」と印象を明かし、染谷は「三池監督の新作で、サイコパスで、もう光栄ですと! それだけでワクワクしました。台本を読んで、人間ってどういう欲求をもっているのか解体していくところが役としておもしろかったです」とコメントした。

キャスティングについては「映画って誰が集まるかというところが非常に大事で、“運命”なんですよね。自然のなかで出会う方たちを大事にしています」と持論を明かした三池監督。ただ、「亀梨くんは普段からサイコパスっぽいでしょ(笑)」と監督が笑いながら言うと、亀梨は「俳優を25年続けてきて、普段の自分と表に立つ自分のどちらかが本当なのか、考えるようになって。そういう意味でもこの作品は感慨深かったです」と自身と本作をリンクさせていたとコメント。

次に菜々緒について三池監督は「まず、こんなキレイな警察官いるのかって(笑)。過去、自分の作品に出ていただいた作品は鞭を持ってもらったりきわどい役が多くて(笑)。今回はスーツで、無造作ななかにもスタイリッシュさがあった。装いが決まったら、あとは暴れてくださいと委ねました」とコメント。これを受けて菜々緒は「男性社会のなかで孤立しながらも信念をもって突き進む役で、ここまで細かい部分まで気を遣ったキャラクターは初めてかもしれないです」と、外見・内面も両方から丁寧にアプローチしたと役作りを振り返った。

一方、ラジオで共演したことはあったものの、三池組に初参加となった吉岡は「昔から三池監督の作品を観ていたものの、お仕事をすることはないと思っていたので、今回ご一緒できてうれしかったです! 初日からハードな撮影で、あらたな扉を開いていただきました(笑)」と笑顔。

また、三池組の常連であり、監督から「いつも最高の流れを作ってくれる最強の武器。いつもすぐ死ぬ役が多いんですけど、今回は最後まで生きています(笑)」と絶賛された染谷は「逆に死なないことに不安でした。いい緊張感のなかで楽しく過ごせました」とコメントし笑いを誘った。

バイオレンスの巨匠との呼び声高い三池監督の最新作ということで、刺激的なシーンが続く撮影現場では、緊迫感がありつつもアットホームな雰囲気だったそう。

亀梨は監督の宣材のイメージから強面な印象があったそうだが「実際にお会いしたらすごく優しくて、周りをつつんでくださる方」、菜々緒も「すごくチャーミングな方」と印象を語り、これには三池監督も少し照れた様子。

吉岡は「バイオレンスなシーンでは特に、少年のように目を輝かせていました(笑)」と撮影現場での様子を暴露。さらに怪物の木こりのアクションも監督が自ら細かく指導していた様子など次々と撮影の思い出が語られた。

今回三池組に初参加の亀梨は、「はじめてご一緒するキャストの方と過ごす時間が多かったのですが、菜々緒さんの名前があったので安心して取り組むことができました」と明かすと、そんな亀梨のストイックなまでの変貌ぶりを間近で見ていたプロファイラー役の菜々緒は「亀梨さん以外に二宮を演じられる人がいるのかなって思うほど原作にぴったりで。私も絶大なる信頼があったので、オファーを受けました」とコメント。亀梨は「普段は菜々緒ちゃん、って呼んでるけど今日は菜々緒さんで」とにっこり。

また、婚約者役の吉岡については「普段はやわらかい印象なのに、役に対する熱量がすごい。特にラストの演技には鳥肌が立ちました!」とギャップを明かしつつ、本作で吉岡が見せた怪演に驚きを隠せなかった様子。続けて染谷の印象を「このままの自然体な感じで魅了できるのがすごい。どこでスイッチがはいるのだろうと、学びがありました」と話した。

シッチェス国際映画祭での海外の大反響を受け、ついに日本初お披露目となる本作について三池監督は「サイコサスペンスやホラーといったジャンルを超えて、こどもたちの世代に向けた、近い将来に人間が体験する物語だと思っています。今日はじめて観てもらうのでどう捉えていただけるか楽しみです」と期待を寄せた。

亀梨は「すごくメッセージが深い。どのように受け取るかによって表情を変える映画になっています」、菜々緒は「サスペンスということで気負いしてしまう方もいるかもしれませんが、人間ってなんだろうとか、環境によって人はどんなふうにもなることができると感じられるので、何度も観てほしいです」とコメント。

吉岡は「裏切りが多い作品です! 人間は心に仮装をしているのかもしれないと思い、ハッとしました。今日はハロウィンですが、まさにぴったりな映画だなと感じました」、染谷は「サスペンスとしてハラハラドキドキして、そのあとまさかの感動がくる。そこはびっくりしました。まさかサイコパスで泣かされるとは思いませんでした」と、それぞれ映画が完成した喜びと、日本での初披露を前に期待を語るとともに、展開が二転三転して止まらない、超刺激サスペンスの見どころを力説した。

ここで、登壇者のなかでそれぞれがいちばんサイコパスだと思う人を発表することに。すると染谷と三池監督のふたりが2票を獲得し、登壇者のなかでいちばん1サイコパスだという結果に。

三池監督は「サイコパスというのは身近にいるもので、サイコパス監修の中野信子先生によると、100人のひとりの割合でいる。この(会場の)なかにいてもおかしくないですからね」と笑いながら回答。

亀梨を指した菜々緒は「劇中、嵐子が二宮に向けたセリフのなかで、まさに亀梨さんにあてはまる言葉があって…」と含みを持たせるとすかさず亀梨は「そこは是非劇場で!」と返答。染谷を選んだ亀梨は「そうあってほしいなと思って!(笑)」とコメント。

そして三池監督を選んだ吉岡は「監督がサイコパスでないと、こんなにサイコパスを魅力的に描けないと思うんです!」と語り、会場もその結果に大盛り上がりとなった。

最後に、亀梨は公開を楽しみにしているファンに向けて「今日、日本ではじめて観ていただけるということでワクワクしています。感じたものをいろいろ話していただける作品になっているので、様々な角度で楽しんでほしいです」と期待に満ちた表情で思いを込めてコメントした。

映画『怪物の木こり』は、12月1日公開。


映画情報
『怪物の木こり』
12月1日(金)公開

原作:「怪物の木こり」倉井眉介(宝島社文庫)
監督:三池崇史
脚本:小岩井宏悦
出演:亀梨和也、菜々緒、吉岡里帆、柚希礼音、みのすけ、堀部圭亮、渋川清彦、染谷将太、中村獅童
製作・配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)2023「怪物の木こり」製作委員会

『怪物の木こり』作品サイト
kaibutsunokikori.jp