オープンワールドRPG「原神」の開発元として知られるmiHoYoが、iOSのアプリを通じてユーザーが決済を行ったときに、売り上げの30%を手数料として徴収する通称「Apple税」を回避するために試行錯誤し、2度失敗したという事例が報告されています。

Chinese gaming giant miHoYo wants to avoid Apple’s 30% revenue cut. Can it succeed? - The China Project

https://thechinaproject.com/2023/10/05/chinese-gaming-giant-mihoyo-wants-to-avoid-apples-30-revenue-cut-can-it-succeed/



ニューヨークに拠点を置く中国情報サイト・The China Projectによると、miHoYoによる1度目の試みは2022年8月に公式コミュニティ「米游社」のアプリを通じて、ゲーム内アイテムの購入はmiHoYoのウェブサイト経由で行うように呼びかけたもの。

しかし、「米游社」アプリは8月22日にApp Storeから消滅。8月26日に復活したときには、ウェブサイト経由での支払いを推奨する文言は消滅していたとのこと。

App Store 上的“米游社”

https://apps.apple.com/cn/app/米游社/id1470182559



次の試みは2022年8月30日、Alipayを利用した支払いプログラムの開始です。事前告知はマイクロブログ・Weiboのみとささやかなものでしたが、Appleは9月11日をもってiPhoneで当該機能を無効化しました。

なお、The China Projectによれば、アプリ内ではなくWeChatやAlipayなどを利用するウェブショップのアイデアは中国のゲーム業界においてmiHoYoが初ではなく、「荒野行動」などで知られるNetEaseや「Tower of Fantasy」のPerfect Worldが挑んでおり、同じようにAppleの規則に違反するとして対応されてしまったとのこと。

AppleとmiHoYoは、2023年3月にティム・クックCEOが中国を訪れた際にmiHoYo上海オフィスに立ち寄って創業者の刘伟(劉偉)氏と会談したり、2023年9月に開催されたiPhone 15シリーズの発表イベントにおいてmiHoYoのタイトルがデモに用いられたりと、わりと近い関係にあるとみられています。

今後もmiHoYoが「Apple税」回避の試みを続けるかどうかはわからないとのことです。