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 開幕から6試合で勝ち点は5、そのうちの勝利はエンポリ戦での7−0という大勝劇など、ASローマのここまでのシーズンの立ち上がりを推しはかるには、なかなか複雑な状況となっていた。先日には「キャリアで最悪の出だし」と自ら公言していたジョゼ・モウリーニョ監督は、そのためフロジノーネ・カルチョ戦で勝利を収めた後の会見にて、「今日は勝とうが勝つまいが、我らが共に仲間でチームとしての団結心をみせてくれる、そう信じてこの試合に臨んだよ。この1週間のような結果ではなかなか難しいものがある。ピッチに立つには感情のバランスを失うことなく、正しいメンタリティを保たなくてはならないからね」とコメント。それを今回の試合では選手たちは見事やってのけた。

 確かに部分的にはまだ自信の欠如がポゼッション時に垣間見せたとはいえ、それでも1・2の例を除いて基本的にはコンパクトに守備を構え、ほぼ相手に隙をお許すことはなかった。決して華麗さがそこにあったとはいえないまでも、効率的な戦いぶりで勝利をおさめることに成功している。「フロジノーネは高いクオリティをもつクラブなんだ。実際にそれは今日の戦いぶりで私自身が感じ取ったものだよ」と、”スペシャルワン”。それでもなおチームが困難な時期にあって常に不平不満なく支えてくれたファンの存在が、より一層モウリーニョ監督を喜ばせたようだ。「バスでの移動時でもその後のスタジアムでの声援も格別だよ。まるでジェノア戦では勝っていたような(実際は1−4)雰囲気でね」

 そこでの成功請負人となっているのが、コンビ再結成となった、ロメル・ルカクである。ここまで5試合に出場して3得点をマーク中の30歳のストライカーは、さらにヨーロッパリーグでも得点を決めており、「幸運なことに私は彼のクオリティを奪い去れるような監督ではなかった」と冗談混じりにポルトガル人指揮官は述べ、「少なくとも誰も私を非難できないだろう。彼はここでもユナイテッドでもインテルでも得点しているんだ。どこででもね」とコメント。自身に浮上した進退問題にも「3ヶ月前には愛されていたのにね」と漏らしつつ、負傷など複数の要因が絡み「ただ確かに酷い出だしではあったよ。」とコメント。ユベントスなどを例にあげつつ、「既存の選手たちでどうにかしていくしかない」と奮起を促した。