スマートフォンやスマートウォッチなどの端末を作るとき、大きな金属板から部品やフレームを切り出していくことになります。しかし、この方法よりも時間を短縮し、材料使用量も減らせるとして、Appleが筐体の3Dプリンター製造を試行していることが明らかになりました。



Apple Watch Series 9: Apple (AAPL) Tests 3D Printing in Device Production - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-08-30/apple-watch-series-9-apple-tests-3d-printing-in-device-production



Apple starts testing 3D printers to make smartwatch casings - Bloomberg News | Reuters

https://www.reuters.com/technology/apple-starts-testing-3d-printers-make-smartwatch-casings-bloomberg-news-2023-08-30/

Apple Experimenting With 3D Printing to Create Devices - MacRumors

https://www.macrumors.com/2023/08/30/apple-3d-printing-device-components/

Bloombergのマーク・ガーマン氏によると、匿名の関係者から、Appleが今後発売されるスマートウォッチ「Apple Watch」のスチール製筐体を製造するため3Dプリンターをテストしているという情報を得たとのこと。

Apple Watchは製品製造ラインの約10%を占めていて、材料ブロックを筐体サイズに切り出したのち、ボタン穴などが作られるという一般的な方法が用いられています。

Appleがテストしているのは3Dプリンターのうち、金属粉末に接着剤を吹き付けて形を整え、焼結炉で焼き固めて造形するバインダージェット方式のものを用いて、デバイスの全体的な形状を実寸に近いサイズで造形するという手法。製造業では「ニアネットシェイプ」と呼ばれています。

この手法を取り入れると材料使用量を減らすことができるほか、切断工程がなくなるので、製造にかかる時間も圧縮できるとのこと。

ガーマン氏によれば、Appleは少なくとも3年前からこの技術に密かに取り組んでいて、2023年9月12日発表予定のApple Watch Series 9のスチールケースでテストを重ねてきたとのことです。

なお、Appleは「環境に優しい素材」の導入を進めており、iPhone 15シリーズでは革製ケースの代わりに新素材を用いた「FineWoven」という織布風ケースになるとのうわさが出ています。