Microsoftが公開する「VALL-E」は、たった3秒間の音声サンプルから人の声を再現できる音声合成AIです。このVALL-Eで英語以外にも対応した「VALL-E X」を独自にトレーニングしたゼロショットモデルが、GitHubで公開されています。

GitHub - Plachtaa/VALL-E-X: An open source implementation of Microsoft's VALL-E X zero-shot TTS model. Demo is available in https://plachtaa.github.io

https://github.com/Plachtaa/VALL-E-X

VALL-EがどういうAIなのかは以下の記事を読むとわかります。

Microsoftがたった3秒のサンプルから人の声を再現できる音声合成AI「VALL-E」を発表 - GIGAZINE



VALL-E XはVALL-Eを拡張したモデルで、ソース言語の音声とターゲット言語のテキストの両方をプロンプトとして使用します。例えば「英語で話す音声」と「中国語の文章」を入力することで、再現した音声に中国語を読み上げさせることが可能になります。

MicrosoftはVALL-E Xについて、(PDFファイル)研究論文やモデルの概要を発表していますが、ソースコードや事前トレーニング済みのモデルの公開はしていません。南洋理工大学電気電子工学部の学生であるSongting Liu(Plachta)氏のチームは、このVALL-E Xを再現する独自のモデルを一からトレーニングし、ソースコードとモデルを公開しています。

MicrosoftのVALL-E Xの対応言語は英語と中国語のみでしたが、Plachta氏のVALL-E Xは日本語にも対応しているのが大きな特徴です。Plachta氏のVALL-E-Xのデモは、以下のHugging Faceで体験できます。

VALL E X - a Hugging Face Space by Plachta

https://huggingface.co/spaces/Plachta/VALL-E-X

Hugging Faceのデモページにアクセスするとこんな感じ。



今回は英語でニュースを読む以下の音声ファイルを読み込ませ、日本語であいさつする音声を生成してみます。

「Text」に読み上げさせたい文章を、「language」にTextの言語を、「uploaded audio plompt」には元音声を読み込ませて、右上にある「Generate!」をクリック。



3分ほど待つと、右上に生成内容と生成された音声が表示されました。



実際に生成された音声がこんな感じ。元の音声がわずか数秒の短さということもあって、少しケロケロとしたひずみはあるものの、元の音声の声色に近いものが生成されています。

また、Plachta氏のVALL-E-Xによって生成された音声の例は、以下のデモページでも公開されています。

VALL-E

https://plachtaa.github.io/