「朝起きて急ぎのメールを書こうとノートPCを開いたら壊れていた」という恐怖の体験に出会いつつも、データ損失を最小限に抑えられたというマックス・グッドハートさんが、自らの体験をMastodonで公開しています。

以下が問題に遭遇したことを報告するグッドハートさんの投稿。使用開始からわずか2年のSSDがあっさりと死んでしまったものの、SSDがダメになってしまったわりに失ったデータは「10分間に相当する分」なので、かなり傷は浅く済んだとのこと。



2022年冬に、初めて本格的なホームネットワークストレージをセットアップしたというグッドハートさんは、プロジェクトの一環として、クリエイティブな仕事を行うPCの定期的なバックアップをどうするか検討し、ZFSの「インクリメンタルレプリケーション」というアプローチに目を引かれました。ZFSには、動作中であってもPCのある時点の全状態をまるごと保存するスナップショットを作成し、データに変更のあった部分だけを他のPCに送信するという機能があります。



グッドハートさんはzreplというソフトを使い、10分ごとにスナップショットをNASに送信するように設定。増分だけが送られるため、ホームネットワーク上でバックグラウンド動作させても問題なく、最後の動作時に送ったデータは約64MiBで、14秒で転送されたとのこと。つまり、PC全体の状態が10分ごとに保存されているので、どこかのタイミングでPCがぶっ壊れてしまったとしても、失うデータは最悪で「最後の保存から10分間の作業」の分にとどめられるというわけです。



一方、リストア時の総容量は625GiBにも上ったそうで、転送作業は一晩かけたとのこと。本当にちゃんと復元できるかどうか、データを確認するまではかなり恐ろしかったとグッドハートさんは記しています。



システムの再構築はOpenZFSのガイドに従い、USBメモリーから起動したUbuntu 22.04を用いてのゼロからのセットアップを実施。作業を行ったグッドハートさんは、OpenZFSのガイドを「Debian環境での最新のパーティショニングとchrootについて、これまで見た中で最高の実践ガイド」と評価しています。



作業を終えてノートPCのブラウザを開くと、前夜の未完成の作業が復元されていたそうです。



「データがクラウドに保存されているので使用中のノートPCをどれだけ壊されても大丈夫」というChromebookのCMのことを覚えていたグッドハートさんは、いつか同じようなディザスタリカバリ計画を立てたいという夢がとうとう叶ったと記しました。