SNSでバズりたくて恋人に過激ないたずらを仕掛けると別れる可能性が高い
![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/3/b/3bfd7_88_f98e6ce0623fe53263ae36c91fdfa989.jpg)
SNSでは「友人やパートナーにドッキリを仕掛けてみた動画」がバズることがよくありますが、あまりに過激ないたずらを見て「今後この2人の関係は大丈夫なのだろうか」と不安になったことがある人もいるはず。近年はパートナーに極端ないたずらを仕掛けてSNSにリアクション動画を投稿する「clout-lighting(クラウトライティング)」という行為が問題になっているとのことで、オーストラリア・タスマニア大学の上級講師を務めるLouise Grimmer氏らがクラウトライティングの問題についてまとめています。
https://theconversation.com/clout-lighting-pranking-your-partner-for-likes-is-a-surefire-way-to-get-dumped-this-april-fools-day-198405
![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/5/4/54985_88_f558f9eee754aad193389fc832c697f4.png)
クラウトライティングとは、社会的な影響力を持つことを意味する「clout」と、嫌がらせや誤った情報の提示で被害者自身の認識を疑わせる心理的虐待の一種である「gaslighting(ガスライティング)」を組み合わせた造語です。この用語はイギリスのジャーナリストであるJessica Lindsay氏により、親密なパートナーがお互いに過激ないたずらを仕掛け、相手の反応を撮影した動画をSNSに投稿する行為を意味する言葉として使われました。
一般に、オンラインのいたずらは仕掛け人たちと無関係な人々を相手にしていますが、クラウトライティングは親密なパートナーを巻き込むという点が特徴です。そして、クラウトライティングとオンラインのいたずらに共通するのは、視聴者を楽しませるために無実のターゲットをからかったり、嘲笑したりするという点だとGrimmer氏らは指摘しています。
一方、オンラインのいじめとクラウトライティングが異なる点は、クラウトライティングを行う人々の動機は「SNSで注目を集めて人気になりたい」という欲求であるのに対し、オンラインのいじめは「特定の個人に苦痛を与えたい」という欲求であり、インターネットの匿名性を悪用しているという点です。
![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/8/1/81949_88_05ad279dd41de40d98e7bae02df0116c.jpg)
いたずら動画を撮影して公開すること自体は、テレビのバラエティ番組で古くから行われてきました。しかし、Grimmer氏らはソーシャルメディアの登場により、人々がより多くの注目を集めて人気になるための手段として、いたずらを行う動機とそれを公開するプラットフォームができたと指摘。「今日は誰もがコメディの有名人になることができ、YouTubeはそんな動画でいっぱいです」と、Grimmer氏らは述べています。
YouTubeやSNSでいたずら動画を公開することは、フォロワーと人気を獲得するために有効な手段ですが、より多くの反応を求めるあまりいたずらが過激になることがあります。中には「タンポンを唐辛子でこする」「食べ物に下剤を混ぜる」「ホットチリソースを混ぜる」「ガールフレンドをクモで怖がらせる」といった動画もあるとのこと。
もちろん、動画が当人の了解を得た上で意図的に制作されたものであれば問題ありませんが、エンターテインメントの限界を超えて、パートナーに対する虐待を促進する方向に進むことは問題です。近年では、一般人の共同生活に密着するリアリティ番組が出演者にもたらす精神的負担が問題視されていますが、数十万回も再生されるいたずら動画でも同様の懸念があり、ターゲットの人物に心理的な悪影響をもたらす可能性があります。
Grimmer氏らは、極端なエンターテインメントに引かれる視聴者は常に強烈な視聴体験を求めており、いたずら動画を見慣れるにつれてより過激なものを求める傾向があると指摘。その結果、クラウトライティングに従事する人々も再生数を増やし続けるため、より過激てターゲットにとって屈辱的な動画を投稿する必要に迫られるというわけです。
![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/e/d/ed6bd_88_fba01c05d919492a51a79962524dd2e6.jpg)
2020年の(PDFファイル)調査では、クラウトライティングに従事する人物は自尊心が低く、ソーシャルメディアに没頭している傾向が強いほか、女性よりも男性の方が4倍も多かったとのこと。また、この調査ではクラウトライティングを行っているカップルは関係性の満足度が低く、別れる可能性が高いこともわかりました。
Grimmer氏らは、「人々はネガティブな関係性のユーモアを、関係性の満足度が低下しているサインとして認識することが研究でわかっています」「特にいたずらが不快で社会的に恥ずかしいものである場合、関係における知覚的不安のレベルを高める可能性があります。そのため、パートナーが別れる可能性が高くなります」と述べました。
![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/b/b/bb744_88_7be243617f8a2b4f25d964ba220e03f7.jpg)