Twitterの「おすすめ」タイムラインの投稿選択アルゴリズムが2023年3月31日に公開され、どんな投稿が「おすすめ」タイムラインに掲載されやすいかが明らかになりました。

Twitter's Recommendation Algorithm

https://blog.twitter.com/engineering/en_us/topics/open-source/2023/twitter-recommendation-algorithm

Twitter open-sources recommendation algorithm code

https://www.bleepingcomputer.com/news/technology/twitter-open-sources-recommendation-algorithm-code/

Twitter's newly-released algorithm shows it specifically tracks how Elon Musk's tweets are doing | Mashable

https://mashable.com/article/twitter-releases-algorithm-showing-it-tracks-elon-musk-tweets

How the Twitter Algorithm works in 2023

https://steventey.com/blog/twitter-algorithm



Twitterの「おすすめ」タイムラインにはユーザーがフォローしていないアカウントのツイートも表示されますが、どんなアルゴリズムでツイートが選定されているかが不透明で、「Twitterが一部のユーザーの表示回数を操作しているのではないか」といった疑惑が存在していました。それを受けてTwitterのCEOであるイーロン・マスク氏が、「コードの透明性を確保し、ユーザーの信頼を得る」と宣言し、2023年3月31日に「おすすめ」タイムラインの投稿選択アルゴリズムを公開しました。

Twitterが「おすすめ」タイムラインの投稿選択アルゴリズムをオープンソース化して公開、誰でもダウンロード可能に - GIGAZINE



Twitterによると、「おすすめ」タイムラインに掲載されるツイートは下記のアルゴリズムで選定され、リクエストごとに数億のツイートから1500ツイートが抽出されているとのこと。抽出においてはフォロー中のユーザーによる投稿とフォロー外のユーザーによる投稿が半々になるように調整されているとも述べられています。

1. さまざまな側面から「おすすめ」になり得るベストなツイートを収集

2. 機械学習を利用して収集したツイートにランクを付ける

3. 既読やブロック状況を元にフィルタリングする

ランク付けの際に使用される具体的な要素はGithub上のコードで確認でき、そのコードより下記の内容が明らかになっています。

◆ユーザー自体にスコアが存在する

ユーザーのスコアが高いとフォローの推薦欄に表示されやすくなったり、投稿したコンテンツがハイライトされやすくなったりするとのこと。ユーザーのスコアは下記の要素を元に計算されています。

・他のユーザーとやりとりを行った回数とその質

・アカウントの作成日、フォロワー数、デバイスの使用状況

・フォロー/フォロワー数の比率

◆Twitter Blueのユーザーはブーストされる

Twitter Blueに課金しているユーザーはおすすめされる確率が上昇し、スコア倍率がフォロワーに対しては4倍に、それ以外のユーザーに対しては2倍になるとのこと。

◆リプライに返信するとスコアが大幅アップ

ツイートに対してユーザーがアクションするごとにそのツイートがおすすめされる確率が上昇していきます。具体的なアクションごとの重み付けは下記の通り。

いいね:0.5

リツイート:1

ツイートをクリックし、「いいね」かリツイートする:11

ツイートに2分間とどまる:11

ツイートに「いいね」かリプライし、投稿者のプロフィールを見に行く:12

リプライする:27

リプライに投稿者が返信/いいね/リツイートする:75

「このツイートに興味がない」を選択:-74

投稿者をブロック/ミュートする:-74

スパム報告:-369



◆ブロックやミュートされるとユーザーのスコアが激減

ブロック・ミュートのほか、不正行為の報告やスパム報告を受けたり、フォローを解除されたりした場合にユーザーのスコアが減少します。なお、フォロー解除の場合はその他の場合より影響が小さいうえ、90日後に影響がなくなるとのこと。

◆政府専用コマンドがある

政府は選挙候補者をフォロー推奨欄に表示したり、フェイクニュースの表示を抑制したりする事が可能な模様。

◆画像や動画は有利

画像や動画が埋め込まれたツイートはスコアが2倍になります。

◆一般ユーザーのツイートは3件までしか評価されない

一般ユーザーの場合、ランキングアルゴリズムは3件のツイートまでしか計算しません。一方でユーザーのスコアが高い場合は制限が解除され、全てのツイートが評価対象になるとのこと。

◆ツイートには寿命がある

ツイートのスコアは6時間で半分になるペースで減少していくとのこと。

◆新アカウントで外部リンクは危険

十分なユーザースコアを持たないユーザーが投稿したツイートに外部リンクがある場合で、いいね・リツイート・リプライが付いていないツイートはスパムとして扱われてしまいます。

◆特定のカテゴリは低くランク付けされる

誤った情報や暴力・ヘイト関連のほか、ウクライナに関する投稿などが低くランク付けされています。



◆スペルミスは致命傷になりうる

英語で投稿する場合、スペルを間違えると言語判定ができずにスコアが100分の1になってしまう危険があります。

イーロン・マスクは、今回公開されたアルゴリズムをユーザーからのフィードバックに応じてアップデートしていくと発言しており、公開翌日の4月1日には早速ツイートの投稿者がイーロン・マスクかどうかを区別するコードが削除されています。