CloudFlareが2018年から提供している「IPFSゲートウェイ」において、著作権侵害などの不正使用の報告があった際、アクセスを無効化する対応を行っていることが、透明性レポートから明らかになっています。

Cloudflare Transparency Report | Cloudflare

https://www.cloudflare.com/transparency/



Cloudflare Disables Access to 'Pirated' Content on its IPFS Gateway * TorrentFreak

https://torrentfreak.com/cloudflare-disables-access-to-pirated-content-on-its-ipfs-gateway-230324/



「IPFS」は「Interplanetary file system」の略で、オリジンサーバーから世界中にコンテンツを配信する従来型のインターネットとは異なり、何千台ものコンピューターがつながったP2Pのファイルシステムでコンテンツを保存・配信する仕組みです。

従来の中央集権的なインターネットの仕組みでは、特定のサーバーがコンテンツをホストしますが、P2Pネットワークであれば、誰のPCでもシステム内のノードの1つになることができます。

中央主権的なHTTPから脱却し新しいインターネットの世界を生み出す壮大な分散型システム「IPFS」とは? - GIGAZINE



Cloudflareは、このIPFSのゲートウェイを2018年から提供しています。

Cloudflare goes InterPlanetary - Introducing Cloudflare’s IPFS Gateway

https://blog.cloudflare.com/distributed-web-gateway/



透明性レポートによると、2022年上半期だけで、Cloudflareは著作権侵害や技術、その他の不正使用に関する報告に応じて、IPFSのアクセス遮断を1073件行ったとのこと。この措置は、同じコンテンツが他のゲートウェイを通じて利用できるようになることを妨げるものではないそうです。



ファイル共有や海賊版などに詳しいニュースサイトのTorrentFreakはこの措置について、「Cloudflareが著作権に関する苦情に応じてブロックを行っているのは珍しい」と指摘しています。

たとえば、CDNサービスで同様に著作権に関する苦情があった場合、Cloudflareはその通知をコンテンツ配信者に転送するだけで、その他の措置を講じることはありません。

このことについて、TorrentFreakはCloudflareに問い合わせを行ったものの、返答は得られなかったとのこと。

TorrentFreakでは、IPFSのコンテンツは誰が管理しているかが分からないため、苦情があったときに転送する先がなく、やむなくブロックしているのではないかと推測しています。