YouTubeが提供するアメリカの有料テレビ配信プラットフォームである「YouTube TV」が、値上げを発表しました。YouTubeは値上げの理由を「コンテンツのコスト上昇」と「サービス向上のために投資を続けているため」と説明しています。今回の値上げにより、YouTube TVの月額料金は64.99ドル(約8700円)から72.99ドル(約9700円)になります。

Info about YouTube TV price changes - YouTube TV Help

https://support.google.com/youtubetv/answer/9285852







2023年3月17日、YouTubeがYouTube TVの料金値上げを発表しました。この値上げ料金は、YouTube TVの会員以外には3月17日から適用されますが、既存の会員には4月18日から適用されることとなります。ただし、今回の値上げに際して配信の解像度を4Kにまで引き上げることができるオプションプランの「4K Plus」は、月額19.99ドル(約2700円)から9.99ドル(約1300円)に値下げされる模様。なお、「4K Plus」は会員が適用するオプションなので、これだけでYouTube TVを視聴することはできません。





さらに、YouTube TVは「我々はテレビをストリーミングするためのプレミアムな方法を提供することをお約束しますが、この新しい価格があなたに合わないかもしれないことを理解してください。YouTube TVが引き続きお客様に選ばれるサービスであることを願っていますが、いつでもキャンセルできる柔軟性を提供したいと考えています」とも記しています。





海外メディアの9to5Googleによると、YouTube TVは2017年にサービスを開始しており、当初の利用料金は月額35ドル(約4700円)でした。その後、2018年3月に初めての値上げを実施し、価格は40ドル(約5300円)になりました。2度目の値上げが行われたのは2019年5月のことで、この時は価格が49.99ドル(約6700円)に上昇。2020年7月には3度目の値上げが行われ、64.99ドル(約8700円)になりました。

YouTube TVはアメリカで人気のアメリカンフットボールのプロリーグであるNFLと配信契約を結び、NFL Sunday Ticketを発表したばかり。NFLはこれまでディレクTVでしか視聴できなかったため非常に希少性が高く、NFLの配信契約は1シーズン当たり20億ドル(約2700億円)の価値があると報じられています。そのため、YouTube TVユーザーからは「今回の値上げはNFL Sunday Ticketの契約によるものです」と指摘されていますが、YouTube公式は「今回の値上げはコンテンツコストの大幅な上昇によるものであり、NFLとの契約によるものではありません」と否定しています。





なお、値上げを行った有料テレビ配信サービスはYouTube TVだけでなく、Sling TVは2022年11月、FuboTVとDirecTV Streamは2023年1月に値上げを実施しています。また、Huluと有料テレビ配信サービスをセットで提供するHulu Live TVの料金も、月額64.99ドル(約8700円)から69.99ドル(約9300円)に値上げされました。