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 ユヴェントス・トリノは月曜日に、アンドレア・アニェッリ会長をはじめとする全取締役が揃って、辞任するという衝撃の発表を行なった。その理由はトリの検察庁による捜査にある模様。

 数十年来にわたって会長職を務めてきたアニェッリ家より、2010年5月から会長を務め、そして2012年から2020年まで9年連続でリーグ優勝を果たすなど、まさに黄金時代を築いたアンドレア・アニェッリ会長らクラブ首脳陣だったのだが、今回の退任にあたり同会長は「クラブにとって微妙な状況にある」とスタッフ宛のメールにて説明(Ansa通信より引用)。またクラブ側によると今回の退任は取締役共同で決断したものであり、また引き続き当局と密にやりとりを続けながら、問題の全容解明を目指していく考えも強調した。

 かつてスクーデリア・フェラーリの元代表を務め、ユベントスではマネージング・ディレクターを務めるマウリツィオ・アリバベーネ氏も、今回の退任劇の影響を受けることとなり、またマウリツィオ・スカナヴィーノ氏は新CEOとなって、新たな取締役会が任命されるまでの移行に同行していく。なおFCバルセロナやレアル・マドリードと共にスーパーリーグ設立を目指したユヴェントスのアニェッリ会長やネドヴェド副会長には、バランスシートの改ざん疑惑と選手移籍に関する不正疑惑がもたれており、合計16人もの被告が裁判へと臨む事態へと発展。

 ミラノ証券取引所に上場するユヴェントスでは、昨年度2億5400万ユーロの損失が明らかとなっており、その結果イタリアの証券取引所規制当局も数回にわたって介入。さらに2018年から3年連続で捜査検察庁も介入をみせている。不正会計のなかでクラブ側には、選手に関し1億1500万ユーロの架空計上を行う形での貸借対照表改ざんの疑いがもたれており、クリスチアーノ・ロナウドの契約もこの一件に絡む模様。一方アニェッリ会長自身は、ユヴェントスはコロナ禍によって深刻な財政難へと陥っていると説明していた。