電気自動車メーカーのテスラや宇宙開発企業のSpaceX、そして買収したばかりのTwitterでCEOを務めるイーロン・マスク氏が、「どの会社のCEOにもなりたくない」と発言したことが話題になっています。

Elon Musk says he doesn’t want to be CEO of Twitter, or any company - The Verge

https://www.theverge.com/2022/11/16/23462668/elon-musk-trial-testimony-twitter-tesla-ceo-technoking

マスク氏の発言は、同氏がテスラで受け取る560億ドル(約7兆8000億円)もの報酬パッケージの取り消しを求めてテスラの株主が起こした訴訟の審理の中で出たものです。2022年11月14日(月)から始まったこの裁判は、テスラがマスク氏への報酬パッケージを承認した時に、「取締役会が適切に機能していたかどうか」と「マスク氏がこの決定に不当な影響力をおよぼしたか」に焦点を当てています。

審理の中で、テスラ側の弁護士からの質問に答えていたマスク氏は、「率直に言って、私はどの会社のCEOにもなりたくありません」と発言しています。





他にも、マスク氏は「SpaceXとテスラでの私のCEOとしての役割は、本来のCEOの役割というよりも、私自身がテクノロジーを推進することにあります。私はロケットのエンジニアリングや電気自動車のテクノロジーに責任を負っているだけです」「つまり、CEOという役職はビジネスに焦点を当てた役割と見なされることがよくありますが、実際の私の役割は、画期的な技術を開発し、優れたエンジニアリングチームが構成されていることを確認することにあります」と語りました。





さらに、マスク氏はTwitterのCEO職にとどまるつもりはないと繰り返し主張しており、「私はTwitterでの時間を減らし、時間の経過と共にTwitterを運営する誰かを見つけられることを期待しています」と発言しています。なお、マスク氏はTwitterの買収を完了する前にも、投資家に向けて「一時的にTwitterのCEOの役割を引き継ぐ予定である」と発言していました。

また、裁判に登場したテスラの元取締役であるジェームズ・マードック氏は、マスク氏は最終的にテスラのCEO職を辞任することも考えていると発言。マードック氏はマスク氏がテスラで自身の後継者となる人物を具体的に提言したと証言しましたが、裁判の中で同人物の氏名は明かされていません。

この他、マスク氏は2017年にテスラでの報酬パッケージが完成するまでの時間をどのように過ごしたかを尋ねられた際に、テスラとSpaceXに多くの時間を割いたと発言。マスク氏は他にも高速移動用トンネルを掘るボーリング・カンパニーや脳神経にコンピューターを接続することを試みる脳インプラント企業のNeuralinkを立ち上げていますが、これらのベンチャーに費やす時間はほとんどなかったと語っています。