ラシーンは1997年1月にマイナーチェンジを行い、最高出力125psを発生する1.8Lエンジン搭載車を追加。さらに1998年には最高出力145psを発生する2Lエンジンを搭載し、ブリスターフェンダーを装着した3ナンバーボディのフォルザを追加している。トランスミッションは両エンジンとも4速ATのみで、駆動方式は4WDだが、2L車は高い走行性能を実現させるアテーサ4WDを採用していたのが特徴だ。

現在、ラシーンの中古車は約150台流通していて、平均価格は約90万円。中古車の価格帯は約23万~約229万円と新車時価格を上まわるプライスの中古車も存在している。3カ月前のラシーンの中古車の平均価格は約85万円だったので、こちらも5万円の値上がりを記録している。特に、TVCMが始まった5月からの値上がり幅が目立つ。

ココまで生田さんとTVCMで共演したパオとラシーンの中古車相場を紹介したが、パイクカー繋がりで、フィガロとBe-1の中古車相場も紹介しておきたい。

1991年2月に販売開始されたフィガロは、パイクカーシリーズの第3弾となるモデル。ピラー部分を残して、布製のルーフ部分だけが開閉する2ドアのオープンカーだ。

搭載されるエンジンは最高出力76ps、最大トルク106Nmを発生する1L直列4気筒ターボで、3速ATが組み合わされている。フィガロはイギリスで爆発的な人気を誇り、じつは多くのクルマが海を渡っている。

現在、フィガロの中古車は約16台流通していて、平均価格は約213万円。中古車の価格帯は約164万~約598万円と高価格なレストア済車が流通している。3カ月前の平均価格は約183万円だったので、わずか3カ月で30万円も値上がりした。

続いては、初代日産マーチをベースとしたパイクカーの元祖、1987年に限定1万台で販売された日産Be-1だ。曲線を多用したデザインを実現させるために、ボディの様々な部分に新素材が使用されている。

通常のルーフに加えて、手軽にオープンエアを楽しめるキャンバストップ車も用意されていた。搭載するエンジンは最高出力52psを発生する1L直列4気筒自然吸気で、トランスミッションは5速MTと3速ATが組み合われていた。駆動方式はFF(2WD)のみとなっている。

現在、Be-1の中古車は約21台流通していて、平均価格は約119万円。中古車の価格帯は約78万~約363万円となっている。3カ月前の平均価格は約100万円だったので、19万円の値上がりを記録した。

スズキラパンがLCというレトロ系のモデルを発売したが、パオやフィガロのようなパイクカーは時代を超えて、人気をキープしているようだ。こういったクルマがTVCMに使用されると、人気が再燃することがあるので注意したい。

〈文=萩原文博〉