現地時間2022年3月15日、Googleがゲーム開発者向けオンラインサミット・Google for Games Developer Summitの中でクラウドゲームサービス「Stadia」の機能強化を発表しました。GoogleはStadiaのユーザー数確保のため、アカウント不要のフリープレイなど「無料」要素を押し出します。

Google for Games Developer Summit 2022 Keynote - YouTube

Google Stadia is subtly reinventing itself to attract new games and gamers - The Verge

https://www.theverge.com/2022/3/15/22978719/google-stadia-cloud-gaming-free-trial

Stadia’s pivot to a Google Cloud product is official | Ars Technica

https://arstechnica.com/gadgets/2022/03/stadias-pivot-to-a-google-cloud-product-is-official/

Googleが発表の中で「2022年中に実施する」と明かした内容が以下。

・YouTube・Google検索・SNSなどからたった数クリックでゲームの体験版をプレイできる仕組みを実装して、Stadiaゲーム開発者が「手軽に遊べる無料トライアル」を提供できるようにする。

・GoogleアカウントやStadiaアカウントがなくてもStadiaストアを閲覧できるようにする。

・DXVKのようなDirectX APIの自動変換ツールを駆使してUnreal EngineやUnityで開発されたゲームを簡単にStadiaに移植できるようにする。Stadiaのコミュニケーションマネージャーのジャスティン・レンデ氏いわく「開発者はゲームのレンダラーを変更する必要がなくなります」。

・パートナー企業がStadiaのプラットフォームを使って自社サービスを配信できるようになるB2Bサービス「Immersive Stream for Games」の提供。

「手軽に遊べる無料トライアル」の実際の様子はこんな感じ。Stadiaストアのトップページから「Play 60 min Trial(60分間の無料トライアルをプレイ)」と書かれたボタンをクリック。



ゲーム審査団体ESRBの認証表示が表示され、Stadiaのプライバシーポリシーと利用規約に同意するか否かを問われるので「Continue」をクリック。



「コントローラーかマウス&キーボードを用意してください」「プレイ中は1時間あたり最大12.6GBの転送量が消費されます」という注意事項が表示されるので、「Continue」をクリック。



するとローディングが行われて……



60分間の無料トライアルがスタートします。



パートナー企業が自社サービスを配信できるようになる「Immersive Stream for Games」については、すでにアメリカの通信大手AT&Tが「バットマン:アーカムナイト」を加入者向けに無料配信するというテストを行っており、接続しているサーバーを監視しない限りはStadiaのシステムを利用していることがわからないほど、「AT&Tのサービス」のように見えるそうです。

Stadiaは2021年2月に専用ゲーム開発部門が閉鎖され、2022年2月には「Googleが優先順位を下げた」と報じられたことから、乱立するクラウドゲームサービスの中でも存在感が薄いとされてます。そのため、今回の発表は「無料」の力でStadiaの巻き返しを図るものだと捉えられています。

Googleがクラウドゲームサービス「Stadia」の優先順位を下げたとの報道、ストリーミング技術の販売に注力か - GIGAZINE



なお、Stadiaはアメリカやカナダ、イギリスなど22カ国で提供されていますが、2022年3月時点で日本は対象地域に含まれていません。