ジャンボ軍団期待のルーキー・小林夢果 自慢の飛距離でしっかりと爪痕を残した(撮影:佐々木啓)

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<明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント 2日目◇12日◇土佐CC(高知県)◇6228ヤード・パー72>
西郷真央が先週初優勝を飾った女子ツアー。原英莉花、笹生優花に続き、ジャンボこと尾崎将司が指導する門下生がまた1つタイトルをつかんだ。そして今年のルーキーにも2人、ジャンボアカデミー出身者がいる。そのうちの一人、小林夢果が今週プロデビュー戦を迎えた。
記念すべき初戦はトータル1オーバー・65位タイで予選落ち。カットラインに2打及ばず「ちょっと伸ばし切れなかった。パターが全然入ってくれなくて、悔しいのひと言ですね」とホロ苦さを味わった。デビュー戦というだけでなく、PRGRのクラブ契約プロとして出場しただけに、やはり3日間戦いたかったという気持ちは大きい。
埼玉県出身の小林は、2003年9月1日生まれの18歳。埼玉県立大宮中央高在学時に受けた昨年11月の最終プロテストは12位で一発合格を果たした。中学校を卒業する頃からアカデミーに通い、3年間ジャンボの指導のもと腕を磨いている。
武器はドライバー。167センチの体から繰り出されるショットは、平均「260ヤード」を誇る。そして今大会で、そのパワーに驚かされるシーンがあった。それがパー5の10番。ここは右ドッグレッグで、ティの右サイドに高い木がそびえたつホールだ。ほとんどの選手が、フェアウェイウッドなどを握って、刻むマネジメントを見せるが、小林はそこでドライバーをフルスイング。しかも、高くそびえる木々をめがけ、その頭を越すショットでフェアウェイをとらえた。
まさかのショートカットの理由については、「(ドライバーで普通に打つとラフへ)突き抜けちゃうんで(笑)。木に当たっちゃったんですけど、なんとかパーで上がれてよかったです」と話す。若い選手らしく、一番の武器で勝負。そんなアグレッシブな一打を見ても、プレースタイルが十分に伝わってくる。
会場に足を運んでいたジャンボの長男・智春氏は、「面白いでしょ。飛距離だけなら笹生よりも飛ばすよ」と証言。チーム内でも、そのポテンシャルには大きな期待が寄せられている。小林本人は「いやいやいやいや(笑)」と謙遜した後、「当たれば同じぐらいかなって感じです。アイアンの番手も同じなので」と言ってニコリ。まだ粗削りだが、今後の成長が楽しみなルーキーだ。
QTランクは131位でコンスタントな出場権は得られなかったため、次のレギュラーツアーは4月29日開幕の「パナソニックオープンレディース」を予定。序盤の主戦場は下部のステップ・アップ・ツアーとなりそうだ。プレー前に素振りをまったくせず、いきなりアドレスに入り、スイングする姿も今の女子ツアーでほとんど見ないもの。そして、プレーは師匠を彷彿(ほうふつ)とさせる豪快さがある。
目標はずばり「シード権獲得」。ジャンボ門下生のルーキーには、昨年6月のプロテストトップ合格者・佐久間朱莉もいるが、小林のプレーにも注目したいところだ。(文・間宮輝憲)

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