FacebookやTwitterなどでウクライナが不利となるようなフェイクニュースを繰り返し投稿しているアカウントが、実在しない架空の人物のものであり、プロフィール画像に設定されているのは人工知能(AI)により作成された架空の人物の写真であることが明らかになっています。

Facebook, Twitter remove disinformation accounts targeting Ukrainians

https://www.nbcnews.com/tech/internet/facebook-twitter-remove-disinformation-accounts-targeting-ukrainians-rcna17880

Facebookを運営するMetaが、ロシアによるウクライナ侵攻に関するフェイクニュースを投稿するアカウントからなるネットワークを削除したと発表しました。このネットワークはニュース編集者・航空技術者・科学出版物の著者などを装った架空の人物になりすましたアカウントや、架空の報道機関を装ったアカウントを用い、反ウクライナのフェイクニュースを報じています。架空の人物になりすましたアカウントのプロフィール画像には、敵対的生成ネットワーク(GANs)などの人工知能(AI)関連技術を駆使して生成されたプロフィール画像が用いられていると指摘されています。

TwitterとFacebookが「ウクライナ不利」と主張するフェイクニュースを発信するロシアのアカウントを削除 - GIGAZINE



フェイクニュースを投稿する偽アカウントに用いられていたAIにより生成されたプロフィール画像を、NBC Newsのベン・コリンズ記者がTwitterアカウント上に投稿しています。

AIにより作成された架空のプロフィール画像のひとつが以下。投稿によると、この架空の人物の設定は「ウクライナ・キエフ出身のブロガーであり、名前はウラジミール・ボンダレンコ。同氏はウクライナ政府を嫌っている」というもの。



この架空の人物に関するプロフィールは、「ウクライナトゥデイ」という偽メディア上に掲載されていた模様。プロフィールは「元は航空技術者だったものの、ウクライナの航空インフラが『崩壊』したことで、ブログの執筆を余儀なくされた」というものだそうです。

架空のプロフィール画像がAI製のものであると見破るための根拠は複数ありますが、そのひとつとしてコリンズ記者は「特徴的な耳」を挙げています。この耳はThis Person Does Not Existという架空の人物の画像を作成するサービスを使用した際に出てくる特徴のひとつだそうです。



さらに、ウラジミール・ボンダレンコの同僚であるというイリーナ・ケリモワという人物も、AIが作成した架空の人物であることが明らかになっています。この女性のプロフィールは「2017年にロシアのプロバガンダウェブサイトの編集長になった人物で、その前はギター講師を行っていた」というもの。女性のプロフィール画像は特に違和感がないように思えますが、左右のイヤリングが異なっているため「怪しい」というわけ。