50代の『SATC』が私たちに教えてくれる大人の友情の育み方

2022年2月26日 14時45分

女優の長谷川京子さんと、映画コメンテーターのLiLiCoさんが、2月23日に行われた『AND JUST LIKE THAT…/セックス・アンド・ザ・シティ新章』の大ヒット記念インスタライブに登壇。作品の大ファンであるお2人が、同作の魅力や共感ポイント、見どころなどを熱く語り合いました。

現在、U-NEXTで独占配信中の同作は、世界中を席巻した『セックス・アンド・ザ・シティ（SATC）』シリーズの最新作。50代を迎え、新たなライフステージを歩むキャリーやミランダ、シャーロットの物語が、全10話にわたって描かれています（毎週水曜1話ずつ更新予定）。

前編に引き続き、2人のインスタライブの模様をお届けします！

『AND JUST LIKE THAT…/セックス・アンド・ザ・シティ新章』の大ヒット記念インスタライブに登場したLiLiCoさん（左）と長谷川京子さん

キャリーとシーマが教えてくれる大人の友情の育み方

LiLiCoさん（以下、LiLiCo）：今回、キャリーと不動産屋の女性・シーマのシーンで、すごく大事だなと思ったことがあって。私は外から来た人間なので、日本人のコミュニケーション不足をすごく感じるんです。友達同士だって、本人は悪い意味で言ったわけじゃないのに、相手が傷ついてしまうことってあるじゃないですか。そこをそのままにすると、悪化しちゃって、友情が薄れたり、縁を切られたりすることもあると思うんです。

そこで、「あなたが言ったことを、私はこういうふうに受け止めたんだよ」「ごめんなさい。そういう意味で言ったわけじゃないんだけど」っていうコミュニケーションがあれば、さらに友情が深まりますよね。丸く収めるためには、勇気を出さなきゃいけないし、嫌な思いをするかもしれないけど、その向こうにはもっといいものが待ってる。

だから、あのシーンを見て、「こういうふうに友情を育めばいいんだな」って。もちろん、彼女たちは50代だけど、年代を問わず、みんなに共通することだと思うんですよね。「もう、あなたとは友達やめた」っていうのは、もったいない。だって、結婚相手だって、「遅刻するのが気に食わない」と思っていても、一緒にいるじゃないですか。そういうところを、すごく感じましたね。

長谷川京子さん（以下、長谷川）：シーマは、大人の対応をしてましたよね。「あなたの言うことは分かる。でも、あなたも同じことをしてたわよ」って。大人の友情の育み方だなって思いました。

LiLiCo：ちゃんと言ってくれることで、一番大切な友達になり得る。どんどん友情が深まっていくんだなって。もちろん、“親しき中にも礼儀あり”なんですけど。

長谷川：そうですね。あと、ミランダが、子供が欲しくて頑張ってる女性と食事に行ったときに、「子供はとても尊くて、素晴らしい存在だ。でも、いなかったときを考えると、それもありかなって思う」って話してて。「子供がいないっていう選択肢も全然あるよね」って、2人で話すシーンがすごく好きでした。自分にも響きましたね。

恋愛で悩んだ『SATC』から、リアルな人生を歩む『AJLT』へ

LiLiCo：『SATC』の過去シリーズも全部、U-NEXTで見られるって聞いて、本当に飛び上がったもん。どこから見ても楽しいのよ。

長谷川：20年前くらいになると思うんですけど、今も色あせないですよね。ただ、『SATC』のときは、“恋愛のステップ・バイ・ステップ”みたいなところがあったんですけど、『AND JUST LIKE THAT…』は“人生のステップ・バイ・ステップ”みたいな。だから、30～40分のお話のなかで、毎回すごく学ぶことがありますよね。

LiLiCo：ブイブイいわせてたときは、クラブにすぐ入れたけど、今は行列に並ばなきゃいけないジレンマとかね（笑）。そういうのが、すごく面白おかしく描かれるから、見ていてあっという間なんですよ。

長谷川：『AND JUST LIKE THAT…』は、女性だけじゃなく、男性も楽しんでいただけそうですよね。

LiLiCo：『SATC』は、男性にとって赤裸々過ぎちゃったと思うんですけど、『AND JUST LIKE THAT…』は大人の悩みなので。普通に見てて、楽しいと思います。「女性はこんなにいっぱい真剣に考えてるの？」って。外見だけで判断しちゃダメですよ（笑）。派手だからって、何も考えてないわけじゃないから。ただ、『AND JUST LIKE THAT…』を見たら絶対、『SATC』を見たくなっちゃうんですよ～。

長谷川：私も、『SATC』をシーズン1から見直しました。本当に楽しい！

LiLiCo：人生は、いつどうなるか分からないんですよ。私もヒザを折ったりしてましたけど、病院で明るくいられたのは、『SATC』のおかげだと思います。暗くなっても、人生は楽しくならないから。見ていて、とにかくワクワクするんですよね。彼女たちのパワーをもらえるから、全部見ても寝不足にならない。そのままのハイテンションで仕事ができちゃうっていう。なんか、人生の原動力になりますよね。

それに、全部バラ色じゃないんだよね。一番いい状態ではないのに、なんとかしてすてきに生きようとしてるのが、『SATC』の4人なんです。それは、『AND JUST LIKE THAT…』でも同じで、みんな一番いい状態ではないと思うんですよね。パートナーに変化があったり、仕事でスランプに陥ったり、思春期の子供たちは言うことを聞かないし……。リアルな悩みを、すごくポップに描いてる作品だと思います。