細かい部分にも自信が見られた復活優勝だった(撮影:GettyImages)

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常に真剣勝負に身を置き、戦いを続けるゴルファーたち。過酷な環境でクラブを振っているからこそ出る力強い名言、ウィットに富んだジョーク、そしてちょっぴり天然な迷言たちがある。そんな“ゴルファーのことば”を紹介。今回は復活優勝を要因を細部に見たはなし。
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「ティアップの高さは自信」
2020年、新型コロナウイルス拡大の影響で開幕戦となった6月の「アース・モンダミンカップ」で5年ぶりとなる勝利を挙げた渡邉彩香に対する、上田桃子らのコーチを務める辻村明志氏が勝因を語るなかで出たことば。
13年に初シードを獲得した渡邉は、持ち前の飛距離を武器に14年の「アクサレディス」で初優勝。翌15年には2勝をマークして、16年のリオ五輪争いに加わった。だが、五輪争いに敗れると調子を崩し、成績も低下。18年にシードを喪失すると、19年には出場資格を失いQTに参戦せざるを得ないところまできていた。
しかし、19年に中島規雅氏に師事すると、持ち前の飛距離の出るフェードが少しずつ戻ってくる。そしてファイナルQTで19位に入り出場権を獲得すると、20年の初戦で最高の結果で復活をアピールした。
そのアース・モンダミンカップを見ていた辻村氏が、渡邉に自信を感じたのがティアップの高さだった。
「悪かったころの渡邉さんはとにかく曲げたくなかったのでしょう。ドライバーなのにパー3かというくらい低いティアップでした。それが以前の高さに戻っていました。プレーオフの18番は右にすっぽ抜けたくないホールで、ティを低くしたくなるところでしたが、フェースからボールがはみ出るくらいの高さで打っていましたね」
細部にも自信がみなぎっていた復活優勝だった。
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