尾関彩美悠は過去最高の成績を出すことができるのか(撮影:ALBA)

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昨年11月に行われた「2021年度プロテスト」で並み居る強豪を退けてトップ合格を決めた尾関彩美悠は、今季ファイナルQT58位の資格でレギュラーツアーと下部に当たるステップ・アップ・ツアーを行き来しながらルーキーイヤーを戦っていく。そこで気になるのがこれまでのプロテストトップ合格者の初年度成績。そこで調べてみた。
プロテストは18年までは夏場に行われており(20年度は延期したため21年6月開催)、1991年からはトップ合格者には同年の入会以降のツアー出場権が与えられるようになった。なお、11月開催となった19年と21年はファーストQTが免除されるかたちとなっている。
そんな8月からのトップ合格者のルーキーイヤーの成績を見ていくと、目を引くのが07年の服部真夕。年間37試合のうち、わずか12試合の出場ながら「マスターズGCレディース」で3位に入るなどトップ10入り3回。約1850万円を獲得して賞金ランキング44位に入りシード入りを決めてしまったのだ。
現在に至るまでプロテストトップ合格の出場資格でシード入りを決めた日本勢は服部のみ。海外勢まで含めると98年のハン・ヒウォン(韓国)、01年のウェイ・ユンジェ(台湾)が同じようにトップ合格後にシード入りを決めている。
ほかにトップ合格者が同年のシードを獲得したケースは08年の黄アルム(韓国)があるが、アルムの場合はすでに合格前から単年登録でツアーに出場していた。またシードではないが、20年度合格者のリ・ハナ(韓国)もプロテスト合格前から単年登録で出場しており、21年のステップ・アップ・ツアー賞金女王となって22年の前半戦出場権を獲得している。
なお、11月開催の19年のプロテスト合格者のうち、笹生優花と西村優菜はコロナ禍で実質半年となった20年に優勝を挙げている。統合シーズンと考えれば山下未夢有、吉田優利が合格翌シーズンで優勝、西郷真央、山路昌がシード入りを果たしている。豊作の年だったと言っていい。
前述のとおり、19年プロテスト合格組はコロナ禍で6月開幕の統合シーズンとなってしまっため、3月からの年間シーズンでルーキーイヤーを迎えるのは尾関が初めてとなる。トップ合格者というのはプレッシャーなのか、と聞いてみると「トップ合格は自信にはなっています。くじけそうなときでも“私はトップ合格したんだ”と自分を勇気づけられると思います。重圧はないです」と前向きに答えた18歳。どんな成績を残してくれるのだろうか。
ちなみに夏開催となったプロテスト合格者でその年のシードを獲得したのは、トップ合格4人を除くと横峯さくらと諸見里しのぶの2人だけ。かなりの狭き門だ。
【2000年以降の年度別プロテストトップ合格者と同年の賞金ランキング】()は主な同期
2000年:田中裕子 113位(李知姫、高橋美保子、大山志保)
2001年:ウェイ・ユンジェ 48位※シード獲得(古閑美保)
2002年:佐々木慶子 71位(北田瑠衣、茂木宏美、永井奈都)
2003年:川原由維 111位(馬場ゆかり、辻村明須香)
2004年:上原彩子 53位(横峯さくら、廣瀬友美)
2005年:高橋千晶 94位(諸見里しのぶ、上田桃子)
2006年:有村智恵 60位(笠りつ子、土肥功留美、福田侑子)
2007年:服部真夕 43位※シード獲得(一ノ瀬優希、若林舞衣子、下川めぐみ)
2008年:黄アルム 44位(森田理香子、西山ゆかり、菊地絵理香)
2009年:吉田弓美子 79位(大江香織、大江香織、藤本麻子)
2010年:井芹美保子 66位(酒井美紀、藤崎莉歩、綾田紘子)
2011年:O・サタヤ 56位(堀奈津佳、福田真未、青木瀬令奈、香妻琴乃、斉藤愛璃)
2012年:東浩子 100位(葭葉ルミ、比嘉真美子、渡邉彩香)
2013年:倉田珠里亜 108位(成田美寿々、鈴木愛、藤田光里)
2014年:山田成美 147位(堀琴音、柏原明日架、永峰咲希)
2015年:山口春歌 169位(野澤真央、ささきしょうこ、岡山絵里)
2016年:永井花奈 76位(川岸史果、田辺ひかり、蛭田みな美)
2017年:松田鈴英 112位(勝みなみ、新垣比菜、小祝さくら、淺井咲希)
2018年:エイミー・コガ 76位(大里桃子、三ヶ島かな、河本結、原英莉花、渋野日向子、稲見萌寧)
2019年:イ・ソルラ 167位※ツアー出場資格なし(西村優菜、吉田優利、西郷真央、山下美夢有、笹生優花、アン・シネ)
2020年:佐久間朱莉 154位※ツアー出場資格なし(岩井明愛、後藤未有、小倉彩愛、岩井千怜)
2021年:尾関彩美悠(佐藤心結、竹田麗央、川崎春花)
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