音楽・映像事業で知られるエイベックス・グループの子会社であるエイベックス・テクノロジーズが「3Dキャラクターをもっと身近に!」をコンセプトに提供する3DCGキャラクター関連プロジェクトが「RiBLA」です。そんなRiBLAの一環として、無料で誰でもVTuberになれるツール「RiBLA Broadcast (β)」がリリースされたので、実際に使ってみました。

RiBLA Laboratory

https://avex-technologies.com/riblas/lab/index.html

VTuberツール「RiBLA Broadcast (β)」Ver0.9.0 Win/Mac - RiBLA Laboratory売店 - BOOTH

https://ribla-laboratory.booth.pm/items/3642935

RiBLA Broadcast (β)はPixiv BOOTHで、Windows版とMac版が配布されています。記事作成時点での最新バージョンは0.9.0。配布ページにアクセスし、今回はWindows版の「無料ダウンロード」をクリックして、ZIP形式のファイル(367MB)をダウンロードします。なお、ダウンロードするためにはPixivアカウントが必要です。



ダウンロードしたZIPファイルをWindowsの標準機能あるいはExplzhなどのツールで解凍し、中に入っている「RiBLA-Broadcast_Setup.exe」を起動します。



言語が日本語になっているのを確認して、「OK」をクリック。



スタートメニューフォルダの指定を確認して、「次へ」をクリック。



「次へ」をクリックします。



「インストール」をクリックして、インストールを開始します。



インストールが終わったら「完了」をクリック。



RiBLA Broadcast (β)が起動するとこんな感じ。Input Deviceがトラッキング用のカメラデバイスです。



左には、デフォルトで登録されている3Dキャラクター「Jane」と「生駒ミル」が表示されています。また、VRM形式であれば手元の3Dモデルデータをそのまま使うこともできます。今回は「Jane」をクリックし、右下の「START」をクリックします。



Janeのモデルを読み込んだところが以下の画面。グリーンバックに、Janeが立っているのが見えます。キャラクターモデルは左クリック+ドラッグで平行移動、右クリック+ドラッグでキャラクターの回転、ホイール操作でズームイン・アウトできます。



キャラクター表示画面の左側には、キャラクター表示設定が表示されます。キャラクターモデルトラッキングの素早さや精度をスライドバーで調整可能です。



キャラクター表示設定を下にスクロールすると、顔と体の動きを調整するスライドバーがあります。



画面左端には、ウェブカメラで読み込んだ顔のトラッキング結果が表示されています。



RiBLA Broadcast (β)は顔と手の位置、指の動きをトラッキング可能。たとえば右手をあげると、キャラクターも右手を上げてくれます。



驚いたのが、指の動きもちゃんとトラッキングすること。例えば以下のように、ダブルピースをすることもできます。



実際にどんな感じでトラッキングされるのかは以下のムービーを見るとよくわかります。

ウェブカメラだけでVTuberになれるRiBLA Broadcast (β)は指のトラッキングも可能 - YouTube

トラッキング画面下の「リップシンク切替」では、リップシンクのソースをマイクとカメラで切り替えることができます。「マイク」だと、マイクに入力された音声に合わせてキャラクターの口が開閉するので、トーク時にお役立ち。「カメラ」はカメラでトラッキングした口の動きに合わせてキャラクターの口が動くので、表情がより演者の顔とシンクロしやすくなります。



笑うとスマイルになったり眉をしかめるとむっとした顔になったりと、キャラクターの表情はトラッキングに準じますが、真顔・笑顔・むっとした顔・困り顔・泣き顔の5種類の表情を下部のアイコンで切り替えることもできます。



また、1から3のカメラアイコンはそれぞれ正面から、斜め右から、斜め上からの視点に切り替えることができます。



姿勢は「直立」「着席」「着席+腕を下に固定」の3パターンで切り替えることができます。「着席+腕を下に固定」は、ゲーム中にコントローラーを持ったりキーボードを操作したりする時など、腕を下げていることが多い時に使える姿勢です。



右下の歯車アイコンをクリックすると……



設定画面に移行します。設定画面では背景を変更することができます。背景はデフォルトではグリーンバックですが、背景の色をRGBで調整したり、好きな画像を読み込んで設定したりすることも可能。



そして、「全画面」をクリックすると……



グリーンバックと3Dキャラクタ−モデルだけが表示されるようになります。



この状態で、ウィンドウをOBS Stadioなどの配信ソフトに読み込ませることで、動画収録やライブ配信にも簡単に使うことができます。



なお、全画面表示の時は画面左端にマウスを持っていくとキャラクター表示設定が表示されます。



ウェブカメラでVTuberになれるツールは複数存在していますが、RiBLA Broadcast (β)は指のトラッキングもできるというのがポイント。無料のツールでも腕の上げ下げをトラッキングできるものは多いですが、指の動きをリアルタイムで反映できるツールはかなり珍しい印象。また、RiBLA Broadcast (β)のUIはかなり分かりやすいので、「CGモデルの扱い方が分からない」という人でも簡単に使うことが可能。また、VRM形式に対応しているので、他のソフトで使っていたCGモデルも使えるのは大きな利点の1つといえます。

なお、RiBLA Broadcast (β)の利用についての詳しい規約は同梱されているPDFファイルに記載されているので、実際に使う場合は規約をしっかりとチェックしてください。