トムホ演じる若きネイサン・ドレイク - 映画『アンチャーテッド』より

写真拡大

 PlayStation(R)の人気ゲームシリーズを実写化した映画『アンチャーテッド』(公開中)で主演を務めたトム・ホランドがリモートインタビューに応じ、ゲームのキャラクターを実写化する上でのアプローチ方法や、役づくりの一環で行ったバーテンダー体験について語った。

 トレジャーハンターのネイトことネイサン・ドレイクが伝説の秘宝や古代都市の謎を解き明かす「アンチャーテッド」は、シリーズ累計売上数4,170万本を超える人気タイトル。実写版では、バーテンダーとして働く若きネイトが、トレジャーハンター・サリーことビクター・サリバン(マーク・ウォールバーグ)にスカウトされ、50億ドル相当の財宝探しへと旅立つ。

 ゲームシリーズのプレイ経験があるトムは、「僕は『アンチャーテッド』シリーズの大ファンなので、ゲームファンが喜ぶ実写版を作る必要性を理解していました」と力を込める。「とはいえ、原作のネイサン・ドレイクをそのままコピーすることはしたくなかったですし、スタジオも僕と同じ目標を掲げていました。原作ファンには、10年続くゲームと全く同じ内容の作品を観てほしくなかったですしね」とゲームファンにも映画ならではの体験を味わってもらいたかったと話す。

 本作は、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が保有するIPを映像化するために設立された、プレイステーション・プロダクションズが製作に参加している。トム曰く、キャラクターの再構築はプロダクション関係者はもちろん、ゲームシリーズでネイトの声を担当するノーラン・ノースや、原作ゲームの開発スタジオ・ノーティードッグの協力を得ながら進められたという。

 「キャラクターに有益なものを盛り込みながら、楽観的で探究心に満ちたネイトの特徴は引き継いでいます。彼はとても信頼できますが、映画ではそれが仇となるんです。キャラクターを再構築するには絶好の機会でした。ノーラン・ノースや、ノーティードッグのニール・ドラックマンら数名と話し合いもして、僕が再構築しているネイトが正しい方向に向かっていることを確認してもらいました」

 ネイトはトレジャーハントに繰り出すまで、バーテンダーとして生計を立てている。劇中で華麗なシェイカーさばきを披露するトムは、撮影に備えて、ロンドンにある実際のバーでシフトを組んでもらい、基礎知識をたたき込んだ。「ロンドンのバーで数回シフトを入れてもらったんです。お客さんとのやり取りも素敵だったし、カクテルの作り方も芸術的で楽しかったです。ジャグリングをしながらグラスに注ぐスキルを、映画のアクションに活かすことも興味深かったです。とてもいい経験でした」
 
 勤務中はボトルを割ってしまったり、グラスを落としたりと失敗やトラブルが続いたと話すトム。実際の撮影もプレッシャーだったといい、「空中でボトルを開けて、キャップが飛んでいくシーンはすごく緊張して、撮影では40〜50回近く挑戦する必要がありました。正しいアングルでキャッチしないといけないので。それでも楽しくて、貴重な体験をさせてもらいました」と振り返っていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)