Apple
Stephen Lam / Reuters

2022年初のアップルによるスペシャルイベントが、3月上旬に開催されるとの予想が有力となりつつあります。そこでは第3世代iPhone SEなどが発表されると見られていますが、Macの買い換えを検討している人にも嬉しいニュースがもたらされるのかもしれません。

「M2」搭載MacBook Proが3月に登場?から純正ARゴーグル用OSは「RealityOS」?まで、最新アップルの噂をまとめてお届けします。

次の廉価版MacBook Proは「M2」チップでTouch Bar廃止、ミニLED画面は非搭載のうわさ

「M2」搭載MacBook Proが3月に登場するウワサ。旧正月休みを返上して量産中か

Engadget

13インチMacBook Pro、すなわちエントリーレベル(低価格帯)の後継モデルが「M2」チップを搭載して今年中にリリースされることは確実視されています。が、その発売時期やデザインなどに関して、方向性が異なる複数の噂が伝えられています。

1つは、アップルの内部情報に詳しいBloombergのMark記者が報じていること。同氏の記事によれば、本製品は(低価格モデルとして)MacBook Pro(2021)と差別化するために画面やプロセッサ、ストレージを劣るものにする、とされています。またディスプレイは「ProMotionもミニLEDもない」とのことで、ミニLEDバックライトを使った可変リフレッシュレート120Hz画面は付いてこないというわけです。

ただし、前モデルにあったTouch Barは廃止されるとのこと。有名リーカー(注目の未発表製品にまつわる有力情報を発信する人)Dylandkt氏も同製品につき「14インチと同じ筐体ですべてのポートを備えている」としてデザインが変更されることを示唆していました。

今回Gurman氏は具体的な発売時期に触れていませんが、前に3〜4月にスペシャルイベントがあると伝えつつも、その場で「次期ローエンドMacBook Pro」が登場するとは言っていなかったことから、もう少し後になるとも解釈できます。

対して台湾の電子部品業界情報誌DigiTimesは、3月上旬のイベントで「M2」搭載MacBook Proが発表され、それに向けてアップルのサプライチェーンパートナーが旧正月休みを返上して生産を続けていると報じています。

こちらの情報筋は、新型MacBook ProがM2プロセッサ以外は「M1チップを搭載した既存モデルとほぼ同じ仕様」と述べています。もしも発売時期を早めにするのであれば、噂の第3世代iPhone SEや第5世代iPad Airのように前モデルの筐体をほぼ流用、プロセッサだけを載せ替える方針は頷ける感があります。

が、今年後半にはM2搭載でデザインを刷新したMacBook Airが控えているとの噂もあります。もしかすると、2020年11月にM1 Mac3モデルが同時発表されたように、M2搭載Macも複数モデルが1つのイベントでお披露目される展開もあり得るのかもしれません。

24インチiMac、Face ID搭載が検討されていた噂。将来的に採用の可能性も

Engadget

iPhoneやiPadではおなじみになったFace IDが、実は24インチiMac(2021年5月発売)の試作機に搭載されていたとの噂話です。

BloombergのMark Gurman記者は「Face IDは、初代M1 iMacに搭載されていました」と述べています。さらに「現時点では、薄いMacBookの画面にFace IDを埋め込む技術は存在しません」とのこと。そのためMacにFace IDを採用するなら、まずiMacや外付けディスプレイといった厚みある製品になる可能性が高いというわけです。

アップルがMacにFace ID搭載を検討していることは、数々の手がかりから窺われています。まずmacOS Big Surベータ内から「PearlCamera」(Face ID関連ハードおよびソフトに使う内部コード)のサポートを意図したコードが見つかり、iOS 14ベータ版からもそれらしきアイコンが発掘されていました。

以前もGurman氏は、Macにも「数年以内に」Face IDが搭載すると述べたことがあります。そこではFace IDは「セキュリティとAR(拡張現実)という2つの中心的な機能」をもたらすとして、(Touch IDでは実現できない)ARの意義が強調されていました。

iPhoneのFace IDも次期iOS 15.4では「マスク姿で解除」が可能になり、最大の弱点が克服される見通しです。今後はすべてのアップル製品がFace ID搭載に向かうのかもしれません。

有機EL搭載iPad製造に向けて、LGディスプレイが生産準備を進めている噂

Apple

アップルがiPadに有機ELディスプレイ搭載を開発中との観測は、有名アナリストMing-Chi Kuo氏も語っていたことです。そんななか、大手サプライヤーのLGディスプレイが「将来のiPadに使う予定の有機ELパネル生産に備えて」生産設備の一部を移しているという具体性の高い情報が伝えられています。

情報の発信源は、韓国の電子産業専門誌The Elecです。同誌はこれまで有機EL版iPadの噂を追い続けており、まず昨年夏には「2022年に有機EL版iPad Air、2023年に向けてiPad Proが準備中」と報じました。その後にアップルとサムスンの共同プロジェクトが中止されたと伝え、さらにLGがiPad向けに輝度や寿命、耐久性が向上した有機ELパネルの開発に着手したと報道。それに続けてサムスンも、2024年発売に向けて動き出したとの趣旨を述べていました。

さて今回のThe Elec報道によれば、LGは有機EL生産設備の一部を亀尾市の工場から坡州市の工場に移しているとのこと。使用中の生産設備が別の生産ラインに移されることは滅多になく、それほどの労力を惜しまないのは、iPad向けの生産を織り込んでこそというわけです。

iPad用有機ELパネルは赤、緑、青の発光層を2枚重ねる「ツースタック・タンデム構造」であり、従来のシングルスタック構造(1枚重ね)よりも輝度が2倍になり、パネルの寿命も最大で4倍に延びるとの説もあります。

もし有機EL版iPadが実現するのであれば、iPad Pro(2021)やMacBook Pro(2021)に採用されたミニLEDバックライト付き画面との比較が気になるところです。

アップルのAR/VRゴーグル用OSは「realityOS」? オープンソースコードから記述が

9to5Mac

アップルがARとVR機能を合わせ持つMR(複合現実)ヘッドセットを開発中との噂はほぼ定説となっており、今や「いつ発表・発売されるか」に焦点が移っています。

Macと同等のプロセッサが搭載される、高性能な3Dセンサーが搭載されて手の動きも検出できる、「革新的な3枚ディスプレイ構成」になるなどのハードウェア予想は数々ありますが、意外になかったのがソフトウェアの情報です。

そうしたなか、アップルのオープンソースコードやApp Storeのアップロードログから、本製品のOSと推測される「realityOS」に関する記述が見つかったと報告されています。

開発者のSteve Troughton-Smith氏によれば「独自のOSとバイナリを持つ」と「realityOSシミュレータがある」の2つが読み取れるとのこと。ただし、同氏はフェイク情報の可能性もあると指摘しています。

とはいえ、「realityOS」は以前から噂されていたヘッドセット用OS「rOS」とも符合します。さらには、最近Bloombergがヘッドセット製品名の候補としてあげた中には「Apple Reality」もありました。今年(2022年)末か来年初めに発売とすれば、遅くとも6月に開催が予想されるWWDC(世界開発者会議)で何らかの発表がありそうです。