相手の住所を知らなくても、オンライン上でプレゼントを贈ることができる「eギフト」。「デジタルギフト」という言い方もありますね。さまざまな企業がeギフトサービスを展開しています。

この数年で利用する人が増えていたところに、コロナ禍が拍車をかけ、会えない人にせめて気持ちだけでも贈りたい…と、ますます盛り上がりをみせている模様。

筆者がもつ「eギフト」のイメージは、自分も贈ったことがあるスターバックスのドリンクチケットやAmazonギフト券などですが、実際にみんなはどんなものを贈っているのでしょうか?

今回は数あるeギフトサービスのなかから、サービス開始から10年の歴史をもつ老舗サービス「giftee(ギフティ)」でマネージャーを務める竹内綾子さんに、最近のeギフトの傾向などを教えていただきました。

gifteeってどんなサービス?

約1400個の商品を扱う、個人向けeギフトサービス。オンライン上ですべて完結することができ、住所などを知らなくても、メールやSNSのDMから贈れるのがポイントです。

贈りたいギフトを選んだあとは、添えたいギフトカードを選んでメッセージを入力します。 カードは、さまざまなシーンに合わせ著名なイラストレーターさんの作品がずらり並び、選びがいがあります。

イラスト:(左上から) Akiko Kato Ruiz, Akko, Alana Keenan, Andrew Joyce, Beci Orpin, Hi(NY), Jeremy Yamamura, JUN OSON, JUN OSON, LETTERBOY, mio.matsumoto, 大桃洋祐, 大桃洋祐, SANDER STUDIO, SHOGO SEKINE, SHOGO SEKINE, 新納英仁, タナカカツキ, Emi Ueoka, 白根ゆたんぽ

決済まで終わると、ギフトのURLが生成されます。そのURLを、メールでもSNSのDMでも、贈りたい相手と連絡の取れる手段で贈るだけで完了です。

受け取る側は会員登録しなくても受け取れるので、相手に余計な手間をかけさせることがないのも、うれしいですね。

みんなは何を贈ってる?価格帯別にチェック!

実際にどんなものが贈られているのか知りたい!とお願いして、「giftee」で2021年8月1日〜10月31日の期間に30代女性が贈ったものの中から、上位商品の一部を価格帯別に抽出してもらいました。

よく贈られた1000円以下のギフトはコレ!

Starbucks Coffee Japan フードチケット 300円

Starbucks Coffee Japan ドリンクチケット 500円

Starbucks Coffee Japan ドリンクチケット 700円

竹内さんによると「ずっと売れ筋」なのがスターバックスのeギフト。もはや「定番」のeギフトなんですね。あとは、コンビニエンスストアで利用できるeギフトも人気なのだそう。

「利用可能な店舗数が多く、お相手の方に無理なく使っていただけそうなギフトが選ばれやすい傾向にあります」と竹内さんが言うよう、確かにお住まいなどプライベートを知らない相手でも、スターバックスやコンビニエンスストアのeギフトなら贈りやすいですよね。

よく贈られた1001〜3000円のギフトはコレ!

ハーゲンダッツギフト券(2枚/1760円)

Uber Eats ギフトチケット(2000円)


Netflixプリペイド・
ギフトカード(2000円)

「ハーゲンダッツギフト券」は、前出のスターバックスの店舗で交換ができるチケットと違い、ギフトの受け取り手が自分で入力した住所宛に、紙のギフト券が送られてきます。1枚でハーゲンダッツ商品が2つ選べ、2枚だと4つと交換できます。

Uber Eats やNetflixのギフトカードがランクインしたのは、まさにコロナ禍の影響を感じますね。今まで Uber Eats やNetflixを利用していなかった人でも、Stay home期間を経て、いかに多くの人が使うようになったかということが明確にわかる結果となりました。

よく贈られた3001〜5000円のギフトはコレ!

AOYAMA GIFT SALON 銀座千疋屋ジュース6本(3300円)

伊藤忠食品 全国お取り寄せスイーツデジタルギフト(3500円)


コエドブルワリー コエドプレミアムビールセット(3564円)

3000円を越えてくると配送型の「モノ」のギフトが登場してきますね。自分で買うには贅沢だけど、人からもらったらうれしい銀座千疋屋のジュースや、ファンの多いコエドプレミアムビールの6本セットは、お酒が好きな人にはピッタリです。

さらに「Netflixプリペイド・ギフトカードの3500円、5000円のギフトのご利用も増えています」と竹内さん。プチギフトというより、ちょっとまとまった金額のものを贈るときにも選ばれているとは、 Netflixの浸透っぷり、恐るべし!「多くの人が見ている」という前提が当たり前になりつつあるのかもしれません。

全体的なユーザーの傾向について、竹内さんにもう少しお話を伺ってみました。

「gifteeの現在のユーザーの男女比は、女性が7割、男性が3割といったところで、20代後半〜30代の女性がボリュームゾーンです。

一方で40代以上のユーザーの方も、ボリュームゾーンと比較して少ないわけではありません。 以前とった別のアンケートによると、従来のお友達同士や知り合い同士でギフトを贈りあうだけでなく、家族間で贈るケースも多いことがわかりました。

親から子へお小遣いがわりにとか、ランチの代わりに渡したりとか、あとは家族間で改まってお祝いするのがちょっと照れくさいときに、eギフトを贈って気持ちを表現するとか、そういう使われ方をされているのは新たな発見でした。

あとは、ビジネス需要が増えているのも、gifteeの特徴かもしれません。 giftee はURLを発行すれば、ビジネスメールに添えて贈れるので、営業職の方が会食の後にお礼として手土産を渡していたところを、eギフトにして身軽に帰っていただいたり、同僚に向けてちょっとした仕事のお願いごとのお礼に贈ったりと、使い勝手がいいのかなと思います」

形があるものじゃないと、贈った/もらった気がしないというのは、今や昔。相手に負担をかけずにスマートに贈る手段として、これからますます広がっていくこと間違いなしです。

次の記事では、「結婚祝い・出産祝い」でよく贈られているeギフトについて、教えていただいたので、そちらもぜひチェックしてくださいね。

・ giftee(ギフティ)
https://giftee.com/

取材・文/nenko