プロ26年目を迎える俊輔。愛着ある「25」を背負い、J1復帰を目指すチームで奮起を誓う(写真は21年時)。(C)SOCCER DIGEST

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 2019年の夏、中村俊輔はジュビロ磐田から横浜FCに新天地を求めた。背番号は「46」。それなりにレアな数字だが、4と6を足せば「10」になる。

 当時の俊輔は「もうそこはいじらないで」と笑う。いろんな人からそう聞かれているようで、「よく分からなくなってきた。それしかない、みたいな(笑)」と言いつつ、「じゃあ、そういうことにしましょう。足して10で。頑張ります!」と気合いを入れた。

 20年シーズンも「46」を背負ってプレー。そして昨季は、日本代表でも慣れ親しんだ「10」が与えられた。開幕前には「番号も番号だし」と表情を引き締める。「覚悟です」。クラブから打診され、いろいろと考えたが、最後は自分の意志で決めたという。

 迎えた22年シーズン、横浜FCで俊輔は三度、背番号を変えた。今年は「25」に。その経緯について、まず「10番をつけて、ベンチはダメでしょ」と切り出す。

 昨季のJ1では12試合・0得点。納得できる成績ではないはずだし、本人が言うように、先発から外れる試合は少なくなく、メンバー外もあった。

 さらに俊輔はこう続ける。

「若い選手に(10番を)つけてほしいっていうのもあった。若い選手というか、これからの選手かな。(安永)玲央とか(齋藤)功佑とか、そういう選手にぴったりだし」
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 新10番は安永に託された。そして俊輔は、1997年のプロ1年目に横浜マリノスで背負った「25」をまとう。

「逆に自分は、初心に帰るじゃないですけど、25番も好きなので。つけさせてもらいました」

 気持ちも新たに、プロ26年目のシーズンに挑む俊輔の活躍に期待したい。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)