テスラの車両向けに提供されているサードパーティ製ソフトウェアの中に、車の一部機能を外部から乗っ取ることが可能な脆弱(ぜいじゃく)性が存在することをセキュリティ専門家が指摘しています。問題はテスラのシステムやインフラではなく、車のオーナー側にあるとのことです。



Third-Party Software for Teslas Can Be Hacked, German Teen Says - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-01-12/teen-hacker-claims-to-have-taken-control-of-25-teslas-worldwide

ドイツのセキュリティ専門家、デヴィッド・コロンボ氏はこの脆弱性を利用することで、13カ国以上で合計25台以上のテスラ車両の機能にアクセス可能なことを確認したとのこと。

具体的には、車両の見張りを行うセントリーモードの解除や、ドア・窓の開閉、キーレス運転の始動、カーオーディオシステムの操作などができるそうです。



運転中の車両のアクセルやブレーキ、ステアリングの操作はできないので「フルリモートコントロールではない」とのことですが、高速道路の走行中にいきなりボリューム全開でリックロールされたり、ドアを開けられたり、ヘッドライトを連続点滅されたりすると周囲にも危険が及ぶことになります。

この件についてはテスラのセキュリティチームも調査を開始済み。



また、セキュリティ問題に与えられる「CVE(共通脆弱性識別子)」を設定しているアメリカのNPO・MITREにより、CVE番号の割り当て予約も行われたとのこと。



コロンボ氏によると、当該ソフトウェアのメーカーがまだ修正プログラムを公開していないため、ニュースサイトのBloombergに対して詳細は公表しないように求めたとのことです。