映画『エッシャー通りの赤いポスト』初日舞台あいさつに登壇した園子温監督

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 園子温監督が25日、渋谷・ユーロスペースで行われた映画『エッシャー通りの赤いポスト』(公開中)の初日舞台あいさつに登壇し、新作は本作のオーディション落選者による“敗者復活戦”映画であることを明かした。この日は藤丸千、黒河内りく、モーガン茉愛羅、山岡竜弘、小西貴大、藤田朋子も来場した。

 『愛のむきだし』『ヒミズ』などの園監督が脚本・編集・音楽を兼任し、697名のワークショップ応募者の中から選出した役者の卵たち51名を中心に撮り上げた本作。赤いポストを起点に、ある新作映画のオーディションに集まった人々が織り成す人間模様が描かれる。

 第49回モントリオール・シネヌーヴォー映画祭で観客賞を受賞するなど、世界各地の映画祭で高い評価を得ている本作について、園監督は「この映画を自分の代表作と思っていて、今までに作ったたくさんの映画の中で一番自信を持っています」ときっぱり。また、「51人の役者の卵が全員主役でひた走ったこの映画、ぜひ皆さん、良かったらもっと応援していただけたらと思います」と呼びかけると、「『愛のむきだし』をここで公開させていただいて、そこから僕がバーンと跳ね上がったので思い出深く、この映画も新しい代表作として、ここから羽ばたいてくれると思います」と期待を寄せた。

 園監督は、新作についても言及。「この映画を作っていて楽しかったから、(本作オーディションで)何百人の中から選ばれた51人からこぼれ落ちてしまった、たくさんの落選者の中から、もう一回オーディションをして敗者復活戦映画を作りたい」と意気込み。そして、「(本作の)ワークショップに参加していない方も(パンフレットに挟んである)応募用紙に書いていただければ参加できます。奮ってご参加ください」と呼びかけ、「『赤いポスト2』と言ってもいいです。来年、必ず製作しますので、それを予告しておきます」と明言した。常に強烈な個性で圧倒する作品を作り上げる園監督が、今回もまた斬新な企画を打ち出し、会場は期待を込めた盛大な拍手に包まれた。(錦怜那)