セクハラや性差別問題に揺れるActivision Blizzardの従業員が、子会社であるRaven Softwareの品質保証チームの従業員12人の契約が打ち切られることを理由に、無期限のストライキを敢行しました。

Activision Blizzard workers announce open-ended strike and union drive | Ars Technica

https://arstechnica.com/gaming/2021/12/activision-blizzard-workers-announce-open-ended-strike-and-union-drive/

‘Call of Duty: Vanguard’ and ‘Warzone’ contractors laid off by Activision Blizzard - The Washington Post

https://www.washingtonpost.com/video-games/2021/12/03/raven-software-layoffs/

「Call of Duty:Warzone」などを開発するRaven Softwareは、品質保証を担当する社員のうち30%に当たる12人の契約社員に対し、2022年1月28日をもって契約を打ち切る旨を通知しました。品質保証チームを含むRaven Softwareの従業員とActivision Blizzardの従業員計200人超は、この決定を不服とし残りの契約社員の待遇も不透明だとして、「Raven Softwareの品質保証チーム全員を常勤契約の社員にすること」を求めてストライキを決行。同僚の立場が回復するまでストライキを継続することを表明しました。

Activision Blizzardの従業員が組織したABK Workers Allianceは「解雇される社員は仕事のパフォーマンスが悪いわけではなく、中にはむしろトップパフォーマンスを誇る人材も存在します。これら従業員の解雇は、社の収益と仕事量が急増している現状を踏まえると不可解で容認できない行動であり、『業界の模範たれ』という社の目標と矛盾しています」と述べ、ストライキを全面的に支援しています。

ABK Workers Allianceはまた、Activision Blizzardからの「ストライキをしても減給されない日数を超えた日以降の給料は発生しない」という通達を受け、従業員に給料を支払うための資金を調達するクラウドファンディング「ABKストライキ基金」を設立。前述の解雇問題や、以前から明るみに出ていたセクハラや性差別問題を挙げて寄付を募り、記事作成時点で目標額100万ドル(約1億1300万円)のうち20万9540ドル(約2400万円)を集めています。



ABK Workers Allianceはこの他にも、従業員に「組合承認カード」を配るなどして正式な労働組合の創設にも積極的に取り組んでいます。もしABK Workers Allianceが従業員の30%以上からの署名を集めた場合、会社は全米労働関係委員会の規定により組合結成の是非を問う投票を実施する必要があります。

ABK Workers Allianceのバレンタイン・パウエル代表は「従業員が長年にわたり会社から無視され続けているのを目の当たりにしてきました。まだまだ長い道のりですが、会社が何を行ってきたかを知らしめるために、我々の同僚を支援していきたいと願っています」と述べました。