今年も忘年会シーズンに突入した。ただ、最近ではすっかり宅飲みにも慣れたもので、むしろ「コンビニにもこんなに美味しいビールや缶チューハイがあったのか」といった嬉しい発見もしばしば。今年だと「アサヒ ザ レモンクラフト」なんかは人気を集めたようだ。

多くのコンビニやスーパーに並んでいるので、このボトルを見たことがある人も多いだろう。とはいえ2020年4月に全国のセブン‐イレブンで先行発売後、一般販売が始まったのは昨年10月からと比較的新しいお酒なので、見かけたことはあってもまだ飲んだことがないという人もいるのでは。



実際に飲んでみると、これがなかなか美味い。というか、かなり美味い。現在は3種類が販売されているので、今回はこれらを飲み比べて、その味を詳細にレポート。ぜひ、年末年始のお酒選びの参考にしてほしい。

○人気の「アサヒ ザ・レモンクラフト」ってどんなお酒?

「アサヒ ザ・レモンクラフト」は、原材料や製造工程、そして容器にまでこだわって作られた、アサヒが誇る新たなチューハイブランドだ。その最大の特徴は、レモンの香りをより際立たせるため、製造工程で「秘密のひと搾り製法」を導入したことにある。

レモンオイル滴下技術とは、バーテンダーがカクテルを作る際に、レモンの果皮をひねって絞り出したオイル分で香りづけする技からヒントを得て開発した技術のこと。レモンオイルを添加したことで、従来のレモンサワーよりも豊かなレモンの香りが感じられるというわけだ。



しかも、レモンオイルは製造工程でチューハイと混ぜてしまうのではなく、ボトル一缶ごとに直接注入しているという。口の広いボトル缶を採用したのもレモンの香りをより感じやすくするためである。



原材料には、(1)レモンオイル、(2)旬果レモンスピリッツ、(3)凍結レモンピールエキス、(4)瀬戸内産レモンエキス、(5)シチリア産レモン果汁の5種類を使用。この並々ならぬレモンへのこだわり……やはり、レモンサワー好きなら一度は試さなければ損だろう。

○香り、旨味、苦味、バランスに優れた大人味「極上レモン」

ということで、そろそろ味わっていこう。まずはもっともベーシックな「アサヒ ザ・レモンクラフト 極上レモン」から。このお酒っぽくない感じのボトルデザインも、ちょっと気分がアガる。アルコール度数は7%とちょい高めだ。



おっ、ボトルキャップを開けてみると、さっそくレモンの香りがフワッと漂ってくる。もっとボトルに鼻を近づけてみると……うわっ、すごっ。めっちゃレモン! レモンの皮の香りもしっかり感じられる。一般的な缶チューハイのような、人工的なレモンフレーバーではない。ものすごくナチュラルで、だけどパワフルなレモンの香りが鼻腔を刺激してくる。「この香り、衝撃」とパッケージで謳うだけはある。

フタには「缶から直接お飲みください」の注意書きがあったが、色もチェックしたいので少しだけグラスに注いでみよう。



ふむ。わずかに白濁感もあるが、ほとんどクリアと言っていいくらい、綺麗に透き通っている。ゴクッと一口飲んでみると……ああ〜、美味いっ!なるほど、これはレベルが高いぞ。

甘さは控えめだが、辛口というほどでもない。ほどよい甘さとかすかな苦味、弾ける酸味のバランスが絶妙で、すっきりとしたキレもあるから食中酒としてもうってつけ。味わいも奥深く、何重にもなったレモンの味わいが複雑に交差している感覚とでも言おうか……簡単に言うと、「贅沢な大人の味」といった印象だ。



そして、やはり缶の口をつけて飲む瞬間に強烈に香るレモンフレーバーがすごい。まるで鼻の穴に直接レモンを詰め込まれているようだ……と言ったら汚いが、それほどのインパクトである。これは話題になるわけだ。数あるレモンチューハイの中でも、「ザ レモンクラフト」の美味しさは頭一つ抜けている気がする。

○フレッシュさとみずみずしさが最高「グリーンレモン」

続いては「アサヒ ザ・レモンクラフト グリーンレモン」を試飲。極上レモンとともに二枚看板として通年販売されているフレーバーで、こちらもアルコール度数は7%。



グルっとボトルキャップを開けて鼻を近づけると……うわ〜、フレッシュでみずみずしい! ちなみに、黄色いレモンとグリーンレモンは収穫時期が違うだけで、品種が異なるわけではない。黄色く熟す前に収穫するのがグリーンレモン、いわゆる早摘みレモンである。香り高く爽やかで、よりスッキリとした酸味が特徴だ。

一応、こちらも色を見ておこう。



やはりこちらも、うっすら濁っているものの、綺麗な透明色に近い。

実際に飲んでみると、やはりフレッシュさが際立っている。かすかな甘味、新鮮な果汁感にキリッとした酸味、そして早摘みレモンならではの若々しい苦味が感じられ、極上レモンとはまったく別種の個性を放っている。

こちらもやはり美味しい。極上レモンでも感じたことだが、「ザ・レモンクラフト」シリーズは高級感もある気がする。ちょっといいバーで出してもらえるお酒のような、贅沢で深い味わいのようなものを感じるのだ。

○さらにレモン感をアップさせた「至福のレモン」



最後に飲むのは「アサヒ ザ・レモンクラフト 至福のレモン」。秋から販売されている、期間限定・コンビニエンスストア限定の商品だ。



至福のレモンは、3種類のレモン果汁と4種類のレモン素材(レモンオイル、旬果レモンスピリッツ、凍結レモンピールエキス、瀬戸内産レモンエキス)を使用。極上レモン、グリーンレモンが計5種のレモン要素を使っていたのに対し、至福のレモンは計7種。果汁も極上レモンとグリーンレモンがそれぞれ1%であるのに対し、こちらは6%とグッと高まっている。ちなみに、アルコール度数は4%と、やや低めに設定されている。



色を確認してみると、初めてはっきりと濁った色になっているのが確認できた。キャップを開けて香りを嗅いでみると、こちらもうっとりするような濃厚なレモンの香味が漂ってくる。

実際に飲んでみると……美味い! 系統は極上レモンに近いが、よりレモン感が濃く、酸味もあり、そして3本の中では一番甘みも感じる。しかしほどよい苦味もあって、後味はスッキリとしている。個人的には、至福のレモンは食事と一緒に味わうよりも、お酒だけでゆっくりと味わいたいタイプな気がする。

3種類飲み比べてみると、「同じレモンなのにこうも違うのか」と感じるほど、どれも個性が際立っていることがわかった。一方で、パワフルで上質なレモンの香味はどれも高く感じられた。

価格は199円と、他の缶チューハイと比べてやや高めかもしれないが、内容量が400mlであること、そしてこれほど味わい深いことを考えれば妥当。むしろ、自宅で気軽にこのレベルのチューハイが飲めると考えれば、安いくらいである。

スクリューキャップを開けた瞬間から、ちょっと贅沢な気持ちにさせてくれる「アサヒ ザ レモンクラフト」。お酒を飲む機会も増える年末年始に、ぜひお試しあれ。