おいしいももを見極めるコツは3つ!老舗フルーツ専門店に聞く、正しい選び方と保存方法
老舗フルーツ専門店直伝。おいしいももの選び方
まさにいまが旬のくだもの、もも。この時期スーパーに行く際は必ず購入するという方も少なくないはず。ただ、ももは見た目では完熟度や硬さの見分けがつきにくく、どれがおいしいのか悩んでしまいませんか。
素人でもわかる選び方を知りたい!ということで、創業136年目の歴史を持つ老舗フルーツ専門店「新宿高野」の広報担当・フルーツコーディネーターである久保直子さんに見分け方のポイントを教えてもらいました。
触るのはNG!おいしいももを見極める3つのポイント
ーーこんにちは、本日はよろしくお願いします!さっそく単刀直入に、おいしいももを見極めるポイントを教えてください。
久保直子さん(以下、久保) ポイントは大きく分けて3つあります。ひとつは、縫合線から見て、左右対称でふっくらしていること。つぎに産毛が全体的にしっかりと生えていること。それから赤いももの場合は、全体的に赤くなっていることです。
ーー縫合線とはどこの部分でしょうか。
久保 ももの真ん中に入っている割れ目のことですね。この縫合線を中心に実が片寄っていないことを確認してください。また、あまり食い込みすぎていてもよくありません。
ーー触った感触でおいしさを判断することはできますか。
久保 ももほど人に触られてダメージを受けやすいくだものはありません。跡がつき、なかがすぐに傷んでしまいます。触ってもおいしいももを判断することはできませんので、かならず目で見て判断してくださいね。
やわらかいももを選ぶにはどうすればいい?
ーーやわらかいももを選びたい人も多いと思いますが、触ると傷んでしまうのであれば、どのように判断したらいいでしょうか。
久保 残念ながら、もものやわらかさは見た目では判断がつきません。むやみに指で押すと傷んでしまうため、極力やさ~しく持ちながら確かめるしかありませんね。大変むずかしいのですが、かならず指を立てないように、やさしく、やさしく……。
糖度は収穫時に決まる。追熟させても甘みは強くならない
ーー甘くしたいがために、購入してから長期間ももを置いて追熟させることがありますが、その必要はあるのでしょうか。
久保 やわらかい=甘いと思いがちですが、じつはももの糖度は収穫時にすでに決まっており、それ以上甘くなることはないんです。糖度は光を浴びているときに増すので。やわらかいと甘いということはなく、かたくても甘いももはあります。
ーー追熟させても甘くならないということであれば、いつ食べるのがベストでしょうか。
久保 ももの場合、追熟で得られるのは食感の違い。どうしてもやわらかさを感じたい人は仕方ありませんが、置けば置くほど、鮮度が落ちていくのでおすすめはしません。購入したら2時間ほど冷やして、なるべくその日のうちに食べるのが一番だと思いますよ。
ももの正しい保存方法。“花落ち” を上にすべし
ーー鮮度の高いうちに食べることは前提として……冷蔵庫で冷やすときの正しい保存方法はありますか。
久保 ももをまるごと置いて保存するときは、お尻の部分である “花落ち(花が咲いていた部分)” を上に向けるようにしてください。くだものは花落ちから傷んでいくため、極力そこへ圧力をかけないようにするのが大切です。
触るとかゆくなるときは?ももの産毛の取り方
ーーももを触ったり切ったりするときに、産毛のせいでかゆくなることがあります。どのように対処したらいいでしょうか。
久保 ボウルに水をはって、流水につけておくだけで自然に産毛がとれますよ。手でゴシゴシとろうとすると、もちろん傷んでしまうので絶対にやらないでください。ももの個数にもよりますが、2~3分程度流したらOK。
しっかり見極めて、おいしいももを食べよう
ももは見極める際も大切ですが、そのあとも気が抜けないということがわかりました。また追熟させても甘さは変わらないため、不用意に置かないことが購入後に鮮度を落とさないための重要なポイントといえそうです。
久保さんいわく「これらの見極め方法は、絶対的なものではありません。品種、時期、天候などや人によって違う場合もあるので注意してください」とのこと。基本のポイントは頭に入れながら、何回か購入していけば、感覚が掴めるかもしれませんね。
次のお買いものに役立ててて、旬のももをよりおいしく味わってください。
取材協力
取材・文/岩田知夏