初心者でも簡単!おしゃれに香りを楽しむ「ボタニカルワックスサシェ」の作り方

空間がパッと華やぐ。スパイス&ハーブが彩るボタニカルワックスサシェ

「ボタニカルワックスサシェ」は、好みのアロマオイルと彩り豊かな草花をワックスに閉じ込めた、心ときめくフレグランスアイテムです。ドライフラワーやハーブなど自然由来の植物をふんだんにあしらう華やかさから、インテリアとしても人気を集めています。

香りのギフトブランド「OMOU」Founderの小林比紗子さんに、おうちで簡単に作れるボタニカルワックスサシェの作り方を教えていただきました。

意外にもワックスサシェは簡単に作れるのだと小林さんは言います。

「手順さえ覚えれば、おうちでも簡単に美しいワックスサシェを作ることができるため、ご自宅用だけでなく、ギフトにもいいですよ。

火を灯さずにやさしい香りが続くので、お部屋を選ばずいろいろな場所に置いて楽しめるのも魅力です。虫の苦手な香り付けをすれば、防虫としても利用できます」

それではさっそく、ボタニカルワックスサシェの作り方を教えていただきましょう。センス良くデコレーションするコツ、注意したいポイントも要チェックです!

おうちで作れる!ボタニカルワックスサシェの作り方

「ワックスサシェは、湯煎で溶かしたワックスを飾りと一緒に、型に流し込むだけで作れます。材料はスーパーや100均で購入できるものばかり。小さなお子様でも楽しめるくらい、とても簡単です。

基本の作り方としてご紹介するのは、白をベースとしたデザインのもの。少し黄色い精油を使用し、夏っぽい仕上がりにしました」

用意するもの

材料

・パラフィンワックス(ソイワックス、ミツロウでもOK)
・精油(天然由来の成分のもの)
・飾り(ドライフラワー、ドライフルーツ、スパイスなど)
・吊るす紐

道具

・IHヒーター(ガスコンロでもOK)
・湯煎のためのボールや鍋
・ワックスを溶かす用の耐熱容器(ビーカーやマグカップなど)
・竹串、割り箸
・ストロー
・サシェの型

「サシェでよく使われるワックスは、パラフィン、ソイワックス、ミツロウの3種類です。パラフィンは半透明な仕上がりに、ソイワックスやミツロウはマットな仕上がりになりますよ。今回はパラフィンで半透明でやさしい雰囲気のサシェを作ります。パラフィンは100均でも販売されていることが多いです。

飾りは自分の好みのものでOK。ただし、着色してある食材はワックスに色移りし、砂糖がまぶされているものをは虫が寄り付くので、使用は控えましょう。

精油は、チョイスしたお花やドライフルーツのイメージに近い香りがおすすめ。無色の精油なら白い半透明に仕上がります」

「ワックスサシェは、専用の型でなくてもいろいろなものを型にすることが可能です。今回は、お菓子作り用で販売されている紙型を使用してご紹介します。

クッキーの型でも作れますが、硬い素材だと取りだしにくいので、シリコン製か紙製がおすすめです。キャラクターの型でお子様と作るのも楽しいと思いますよ♪」

手順

1. 使用するワックスの量を決め、湯煎で溶かす

「使用するワックスの量は目分量でOK。溶かす前にワックスを型に入れてみて、底が見えなくなるくらいの量がベストです。

使用分のワックスを耐熱容器に入れ、湯煎で溶かしていきます。お湯が入ると分離してしまうので、注意しましょう。直火やレンジで溶かす方法もありますが、パラフィンは200度を超えると発火するおそれがあります。

少し時間はかかりますが、家庭で作るなら湯煎がおすすめです」

2. 型に飾りを配置する

「ワックスを流し入れると、もう配置の変更ができません。飾りのチョイスや配置は、ワックスを流し込む前にしっかり決めておきましょう。私は配置決めに1時間悩むこともあります(笑)

ローズマリーやタイムなどフレッシュの食材を使用する際は、水気を良く切ってくださいね」

センスよく飾るポイントは?

「飾っている表向き正面が、完成形でも表になります。下部に大きめの飾りを置いてデザインの重心を下にすることで、全体のバランスが取りやすくなるので試してみてください♪

また、飾りの色味を同系色にそろえると統一感がアップします。アクセントとなる木の実や花など目に付く飾りは、数を奇数にすることでバランスよく仕上がりますよ」

3. 溶かしたワックスを型に流し込み、精油を垂らす

「ワックスが溶けて、飾りの位置が決まったらここからは時間との勝負!ワックスは、少し温度が下がるだけですぐに固まり始めるんです。ただし、雑に入れてしまうとワックスの縁がガタつく原因になるので注意も必要。時間をかけずにさーっと手早く、静かに型へ流し込みましょう。これも美しく仕上げるコツです!

ワックスが固まらないうちに、精油を10~13滴入れ、竹串や割り箸で手早くかき混ぜます。固まってきたら無理に触らないようにしてくださいね。

その場の気温やワックスサシェの厚さにもよりますが、大体30分ほどで固まります。なるべく動かさずに待ちましょう」

4. 少し固まったら紐を通す用の穴をあける

「こういったお菓子の型でワックスサシェを作る場合、紐を通す穴がないですよね。吊るすタイプのワックスサシェを作りたい場合は、ストローで紐を通す穴をあけます。

ワックスを流してから大体10分後(ワックスが固まりきる前)に、ストローを型の底までしっかり貫通させて抜き取りましょう。ストローの空洞のおかげで、形を崩さずにきれいに穴があきますよ」

5. 型から外し紐を通す

「30分経ったら、固まっているか確認をして型から取り出しましょう。焦って取り出すと崩れる原因になるので、しっかり冷ましてから外してくださいね。

型から外したらサシェ表面の余分なワックスをやさしく取り、フチや角をきれいに整えて紐を通したら完成です!」

ボタニカルワックスサシェのアレンジや楽しみ方

暖色系のアイテムを使ってアレンジ

「こちらは、冒頭で説明したワックスサシェ用のシリコン型、無色の精油で作りました。暖色系のスパイスやハーブを使うと印象がまた全然違います。香りはウッディ系や柑橘系にするなど、見た目と香りをリンクさせると全体的にバランスよく仕上がりますよ。

賞味期限が切れたスパイスを使って作るのもいいですし、季節や気分にあわせていろいろ試してみてくださいね」

石鹸のような形で作りインテリアに

「穴をあけず、置き型のワックスサシェに仕上げるアレンジもおすすめです。こちらはシリコンのクッキー型で作れます。石鹸のようなコロンとした見た目になりますよ。いろいろなデザインで作り、インテリアとして飾るととてもかわいいんです♪」

巾着やガーゼ袋に入れて楽しむ

「引き出しやクローゼットにそのまま入れても大丈夫ですが、ちょっと気になる方は巾着やガーゼ袋に入れておくといいと思います。

サシェは布や紙との相性が良いんです。名刺や手紙などの紙類やハンカチと一緒にしておくと、人に渡すときにほんのり良い香りがしますよ」

ワックスを扱う際の注意点

ワックスの品質によって仕上がりが異なることも

「ワックスによっては少し濁ったり、思っていた色と違う仕上がりになることがあります。その際は、異なるワックスの種類を組み合わせるといいですよ。パラフィン9割に、ミツロウやソイワックスを1割混ぜると、半透明に仕上がりやすくなります」

ワックスは必ず燃えるゴミへ

ビーカーやカップに残ったワックスは、そのままシンクに流すことはできません。容器に付いた固まりは手で取り除いたり、拭き取ったりして燃えるゴミとして扱いましょう。

「容器から取り除きにくい場合は、再度湯煎にかけて温めるとまたワックスが溶けるので、液体になったらティッシュや布で拭き取るときれいに汚れが取れます。その際は、火傷にご注意ください」

おしゃれに香りを楽しむ。手作りのボタニカルワックスサシェ

香りの持続は、置く場所やワックスサシェのサイズによって異なりますが、約1カ月~半年ほど持つと言われています。香りが落ちたら、再度溶かしてワックスサシェにしたり、キャンドルとして再利用したりできますよ。

ナチュラルなデザインとやさしい香りのボタニカルワックスサシェは、おうちの小さな空間を癒しのスポットに変えてくれます。手軽に作ることができ、材料も身近な場所でそろえられるので、気軽にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

取材・文/鎌上織愛
撮影/實重かおり(macaroni 編集部)