おいしさを左右するカレー皿の世界。カレー好きが愛用する逸品を公開!

カレー好きはどんなカレー皿を愛用してる?

万人に愛されるカレー、暑い夏はとくに食べたくなりますよね。本記事ではそんなカレーをよりおいしく楽しく食べるため、カレー皿に注目。『カレーのためのうつわ展ー絶品なうつわ、襲来。ー』を主催する柏戸喜貴さんに、お気に入りの3皿をお聞きしました。

形や深さ、素材などさまざまな種類のあるカレー皿ですが、お気に入りのひと皿があるだけで気分もグッと上がりますよ。ご紹介するのは、どれもこだわりぬかれた逸品。柏戸さんのカレーとうつわに対する偏愛ぶりもお楽しみください♪

教えてくれた人

アートスペース油亀 代表/柏戸喜貴さん
1978年大阪府生まれ。大学卒業後、登山用品等を扱う企業に入社。赴任後、転勤を重ねながら各地の郷土や暮らしを知り、さまざまな人々と出会う。2007年には全国各地の陶芸家の作品や、美術家のアートグッズなどを取りそろえた「アートスペース油亀」をギャラリーとしてオープン。うつわを特集する企画展では、食品の販売や飲食の提供、イベントも意欲的におこなっている。

岡山県出石町にあるアートスペース油亀。柏戸さんが築140年を超える元油問屋の屋敷と出会い、改修後にお店をオープンしました。そんな柏戸さんは大のカレー好き。カレー愛がこうじて、2011年から10年以上カレーの企画展を開催し続けています。

「カレーは、もう国民食ですよね。インドカレーや欧風カレー、ミールス、ビリヤニなど、多種多様のカレーは可能性が無限大。カレーに欠かせないスパイスにも目がなく、日夜スパイスを探求しています。

また、使う食器もおいしさを左右する大事なアイテムです。カレーの進化にお皿が追いついていないと感じて、うつわ展の開催を決意したほど熱い想いを持っています(笑)」

カレーとうつわへのこだわりを熱く語ってくれた柏戸さん。普段はどんなカレー皿を愛用しているのでしょうか。お気に入りの逸品を教えていただきました。

最後の一滴まで逃さない!飴色に輝く「飴釉オーバル咖喱皿」

「こちらは、陶芸家 寺村光輔さんがカレーを食べるために生み出したオーバルのカレー皿。つややかな表面の奥に見えるのは鉄分なのですが、 この鉄分を使って焼き上げた飴色のグラデーションがとてもきれいなんです。

どこか懐かしさを感じる色合いは、古き良き時代の純喫茶で食べるカレーを思い出します。すくうスプーンの角度まで念入りに考えて設計されたフチは、最後の一滴まで逃しません。ベスト・オブ・カレー皿の名にふさわしい逸品です」

「楕円のオーバルは、あいがけのカレーにぴったり。ライスを真ん中に、左に鮭のクリームチーズカレー、右にキーマカレーを盛り付けてみました。存在感がありながら落ち着いた色合いのカレー皿なので、レモンやパクチーが映えますね。

また、随一の盛り付けやすさを誇るこのうつわはアレンジ無限大。 おかずの三種盛りや、バインミー、パスタなど、ありとあらゆる料理に活躍しますよ」

扱いやすさ満点。毎日でも使いたい「菊華輪花七寸鉢」

「栃木県の陶芸家 柳川謙治さんのスタッキングできるカレー皿です。大ぶりなサイズだと、困るのが収納。このカレー皿は、カレーを食べるためだけでなく、収納のことも考え、幅ではなく深さを追求しています。 5枚重ねてもすっきりと収まりますよ。

ただ、決して深すぎないのが魅力。まさに最適な深さと言っても過言ではありません。どんなカレーもおおらかに受けとめてくれるんです」

「とにかく使いやすいため、使用頻度が高いですね。お店のスタッフとまかないでカレーを食べるときにも使います。花びらのようなフチ取りなので食卓がパッと華やかに。フチ取り効果で、うつわに盛り付けられた食材に目が行きやすいのもポイントです。

見た目以上にたっぷり盛り付けることができるので、スープカレーやポトフ、チャーハンなどにも使えます。 肉じゃがや筑前煮など和食にも合いますよ」

ルックスだけじゃない…!使い勝手も良い「インド人のお皿」

「 “おいしいを構成する要素は、味だけではない、お気に入りのうつわで食べるのも重要” と教えてくれたのが、福岡県の陶芸家 タナベヨシミさんのカレー皿です。ターバンを巻いたインド人のデザインは、インパクト抜群。

“手びねり”という技法で、作り手の世界観がダイレクトに表現されます。土のひとかたまりから両手を駆使して作られているんです。モノによって、ちょっとずつ表情や形が異なるのも魅力ですね。使えば使うほど愛着が湧いてきます」

「仕切りがあるので、カレー、サラダ、トッピングを小分けに盛り付けられますよ。少し汁気のある付け合わせでも混ざることがないので安心。サンドとサラダ、トーストと目玉焼きなど普段使いのワンプレート皿としても大活躍します。

食べ終わりに顔が現れて、 洗い物の時間も目があって(笑)。余韻のある楽しいカレー皿です」

小物使いにもこだわりを

口当たりや質感の良い。カレースプーン

「お皿だけではなく、こんなのもありますよ」と、柏戸さんが愛用するお気に入りの一部を教えてくれました。

「カレースプーンのお気に入りは木製のもの。木のスプーンはやわらかな口当たり、温もりのある質感を感じられるのでつい手にとってしまうんです。

持ち手の先が猫になっているスプーン(写真上)は、豪華客船のデッキにも使われている硬くて丈夫なチークの木で作られています。もう一本(写真下)は、梅の木で作られており、使えば使うほど、風合いが変化。 時折オイルで手入れをして、自分だけの一本に育てられます」

食卓のアクセントになる。アチャール入れ

「インドカレーに欠かせない、インド式の漬物 “アチャール” 。 日本でいう福神漬けやらっきょうのような存在です。

そんなアチャールをかわいくテーブルに添えてくれる、民族の帽子を被った熊のアチャール入れ。テーブルにあると、その場を和ませます。福神漬けやピクルス、塩などをいれるのもいいですね!」

「アートスペース油亀」では全国各地の作品が勢揃い!

アートスペース油亀で扱う全国各地の陶芸家や作家の作品は、オンラインストアでも購入できます。

本記事で登場したカレー皿や小物も、在庫があれば購入可能。1点1点手作りのため在庫には変動があります。気になるものがあれば一度問い合わせをしてみてくださいね。

また、 “視点を変える展覧会” をテーマに繰り広げる独自の展覧会は人気が高く、各地にファンもいるほど。なかでも人気なカレーの企画展ですが、2021年も開催に向けて準備を進めているそうです。

アートスペース油亀で開催している『カレーのためのうつわ展ー絶品なうつわ、襲来。ー』は、各地にファンがいるほど人気の催事。毎年阪急うめだ本店とタッグを組み『カレーとカレーのためのうつわ展』が8月の終わりに開催されます。

2021年は、8月25日(水)~8月30日(月)に開催を予定。67名の作り手による1万点以上の “カレーのためのうつわ” が阪急うめだ本店に勢揃いします。会場では、カレー初心者から上級者まで、それぞれに合わせたトークショーやワークショップが開催され、カレーを追求する楽しさが味わえますよ。

アートスペース油亀のギャラリーでおこなう『カレーのためのうつわ展ー絶品なうつわ、襲来。ー』も2021年10月9日(土)~11月21日(日)に開催を予定しています。詳細は、公式サイトや公式インスタグラムをご確認ください。

※営業時間、催し内容、開催期間が変更になる場合がございます

見た目や味わいを大きく左右するカレー皿

カレーをよりおいしく楽しく食べられる、柏戸さんお気に入りのカレー皿。うつわのデザインが違うだけでまったく異なる印象になりますよね。

柏戸さん曰く、カレー皿を選ぶコツは「たっぷり入れても安心して持ち運べる」 「きれいな色のうつわでカレーが食べたい」など、自分の好きなカレーのスタイルを想像することだそう。

このカレー皿で食べたらワクワクするか、楽しいかを考えながらお気に入りのひと皿を見つけてみてはいかがでしょうか。

取材・文/内山 栞(macaroni 編集部)