米ミネソタ州ミネアポリスで、ジョージ・フロイドさんが死亡した現場付近に追悼のため手向けられた花(2020年5月29日撮影)。(c)Kerem Yucel / AFP

写真拡大

【AFP=時事】米北部ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で、警官から首を膝で押さえつけられ、助けを求めながら死亡した黒人男性のジョージ・フロイド(George Floyd)さん(46)は、テキサス州ヒューストン(Houston)からミネアポリスに移り、新しい生活を始めたばかりだった。親族や知人は、フロイドさんは寛大な心を持つ男性だったと話している。

 兄弟のフィロニーズ(Philonese Floyd)さんは、フロイドさんが亡くなった翌日の26日、「誰もが私の兄弟を愛していた」と語った。フロイドさんの死を受けて大規模な抗議デモが行われており、米国にはびこる人種差別への非難が再び巻き起こっている。

 フィロニーズさんは米CNNに対し、「彼は心優しい大男だった」「誰も傷つけたりしなかった」と述べた。

 死亡したフロイドさんは北部ミネソタ州へ移り、トラック運転手の仕事に就いた。最近ではレストラン「コンガ・ラテン・ビストロ(Conga Latin Bistro)」の警備員として働いていたものの、新型コロナウイルス流行のため同州でも封鎖措置が取られたため一時帰休となった。

 親しい人たちは、フロイドさんはより良い人生を歩もうとしていたと話す。

 身長約2メートルと目を引く長身だったフロイドさんは、バスケットボールやアメリカンフットボールでスター選手として活躍。ヒップホップ音楽も始めた。しかし、仕事を見つけるのが困難となり、ヒューストンを離れることになった。

 同じ高校に通ったジョナサン・ビール(Jonathan Veal)さんは、最後に連絡を取り合ったのは今年1月だったと明かす。フロイドさんはテキストメッセージで、「子どもたちのために少し頑張らないといけない」「私の信仰は本来あるべき状態に戻りつつある」と話していたという。

■人生を変えようとしていた愛情のある人

 今月25日、武器を持たず手錠を掛けられ、地面に横たわった状態のフロイドさんは、警官から膝で首を9分間押さえつけられ、苦しみながら息を引き取った。この様子の映像が撮影されていた。

 警察によると、食料品店で25日、フロイドさんがたばこを買うのに偽造通貨を使用したとみて店員が通報。フロイドさんには偽造容疑が掛けられていたという。

 姉妹のブリジット・フロイド(Bridgett Floyd)さんはフロイドさんについて、完璧な人ではなかったが、警察の手にかかって亡くなったのは「悲痛なことだ」と語った。

 この事件を受け、警官4人が解雇された。そのうち29日に逮捕されたデレク・ショービン(Derek Chauvin)容疑者は、第3級殺人などの罪で訴追された。

 フロイドさんには2人の子どもがいたと報じられている。ヒューストンに住む娘(6)の母、ロキシー・ワシントン(Roxie Washington)さんは、フロイドさんは献身的な父親だったと話した。

 地元紙ヒューストン・クロニクル(Houston Chronicle)によるとワシントンさんは、「彼はとても大柄だから、いつもけんか腰だと誤解されていた」「でも彼は愛情のある人だった…そして娘のことを愛していた」と語った。

 フロイドさんと旧友のスティーブン・ジャクソン(Stephen Jackson)さんの友情は、ジャクソンさんが米プロバスケットボール(NBA)のスター選手になってからも変わらなかった。

 ジャクソンさんはインスタグラム(Instagram)に投稿した動画で、「僕たちはお互いを双子と呼び合っていた」と感情的に語り、フロイドさんは子どもたちを支えるために仕事をしようとミネソタに引っ越し、「人生を変えようとしていた」と述べた。

【翻訳編集】AFPBB News

■関連記事
米黒人死亡 警官を逮捕、第3級殺人で訴追
米黒人男性、死因は「窒息」 検視結果
テイラー・スウィフトさん、黒人男性死亡めぐりトランプ氏を批判