1803年創業、京菓子の老舗「鶴屋吉信 TOKYO MISE」でいただく、作りたての和菓子と日本茶【日本橋の日本茶カフェ】

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◆1803年創業、京菓子の老舗「鶴屋吉信 TOKYO MISE」でいただく、作りたての和菓子と日本茶【日本橋の日本茶カフェ】

伝統や歴史を守りながら、新しい商業施設が続々と誕生し、変わりゆく日本橋。そんなモダンネオな街で今注目の日本茶カフェを厳選してご紹介。今回は、江戸時代の享和3(1803)年に、京都にて創業された「鶴屋吉信」。コレド室町3にある「鶴屋吉信 TOKYO MISE」では、職人が目の前で作り上げる和菓子を見学でき、その場でできたてをいただける。生菓子と抹茶でぜいたくなひと時を過ごしては。


京菓子の歴史と伝統を新しい感覚で伝える創業216年の老舗京菓子店
享和3(1803)年、初代鶴屋伊兵衛によって京都で創業された「鶴屋吉信」。代々伝わる「ヨキモノヲツクル為ニ材料、手間ヒマヲ惜シマヌ事」という家訓を哲学として守り続け、200年以上にわたり、最高の原料で最高の風味と格調高い意匠を大切にした京菓子作りに専念してきた。

明治元(1868)年に3代目鶴屋伊兵衛が考案した京名物「柚餅」は、昭和天皇がお買い上げになったことがあるとか。香り高い柚子を使い、和三盆の上品な甘みが奥深い味わいを奏で、いまも受け継がれる鶴屋吉信の代表銘菓となっている。


鶴屋吉信が作るのは、あくまで抹茶を楽しむためのお菓子。鶴屋吉信の和菓子職人・梅津泰和さんによると、「お菓子の甘さで、お茶の渋みを感じるのが茶道」だそう。「千利休の時代にはまだ砂糖がなかったので、甘みを取るために干し柿や焼き栗、干し芋などで甘くしていました。その後砂糖が入ってきてできたのが、上生菓子です。または京菓子とも呼びます」(同)。

茶の湯文化と切っても切れない京菓子の世界。日本橋にある「鶴屋吉信 TOKYO MISE」では、お休み処「京茶房」と、和菓子職人が目の前で生菓子を作ってくれる「菓遊茶屋(かゆうぢゃや)」が併設されており、その雅な文化に気軽に触れることができる。


繊細な手仕事にため息。熟練の職人の技をカウンター席で鑑賞
カウンター式の特別な空間「菓遊茶屋」では、熟練の職人による和菓子づくりを目の前で見学することができる。生菓子のできあがる過程をゆったりと鑑賞すると、和菓子の繊細な世界観が感じられる。どんな材料で、どんなことを表現したお菓子なのか、職人との会話を楽しみながらいただく「お抹茶と季節の生菓子」(1404円)は、きっと特別なひと時をくれるはず。
「茶道をやっていない人でも、気軽にお抹茶と生菓子を味わってみてほしいですね」(同)。

この日いただいたのは、雅やかな菊の姿を繊細に表現した、見た目にも美しい「菊の雅(きくのが)」。白あんをとじこめて、菊の姿になっていく様を間近に見ると、その繊細な手仕事にため息がこぼれるほど。
実演はその日の3種類の生菓子から1つ選べる。熟練された職人の技と、和菓子の美しい世界を抹茶とともに堪能して。


最中と相性抜群。ほんのり甘くすっきりとした味わいの煎茶
抹茶が苦手な方は煎茶(918円)を。京都の老舗茶舗一保堂の煎茶を、自分で注いで3煎まで楽しむことができる。茶葉の量、湯温、時間で変化するお茶の味わいをゆっくり味わって。
TOKYO MISE内のショップと、京都の『IRODORI』のみで購入でき、手土産としても人気の「IROMONAKA」が1つ付いてくるのもうれしい。天然素材でかわいらしい色合いに染めた最中で、しっとりなめらかなあんをサンドしたIROMONAKAが、すっきりとしたほどよい甘みの煎茶とマッチ。

このIROMONAKAは、ショップ内でTOKYO MISE限定のパッケージが購入可能。上品な彩の5色の最中だねで、小倉あん、こしあん、抹茶あんの3種類のあんを自分でサンドしていただく、粋な1品。


老舗店の新しい味わい。あんトーストと宇治産の紅茶のセット
京菓子の老舗店でトーストが食べられるなんて、と意表を突かれるメニュー「あんトーストと京都宇治産紅茶」(1296円)も。こんがり焼いたトーストにイタリア産のマスカルポーネチーズをふんわりとのせ、小倉あんをたっぷりトッピング。品よくふりかけられた抹茶パウダーが味を引き締める。
紅茶は、“日本三大茶”として緑茶が有名な京都府宇治地域で、明治時代より栽培されている在来種の茶樹で育てたという有機茶葉を使用したもの。

マスカルポーネチーズのクリーミーな味わいと混ざり合う小倉あんの甘さを、紅茶がより際立たせる。老舗和菓子店の新しい味わいをぜひ堪能してみて。