中国メディアは、1958年に登場したスバル360は、当時庶民には高根の花だった乗用車をより身近なものにし、多くの家でマイカーを持つ夢を叶えたと紹介した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国メディア・東方網は11月30日、日本で経済性と空間性の高さから高い人気を誇る軽自動車の始祖として、1960年代を中心に一世を風靡した名車・スバル360を紹介する記事を掲載した。

 記事は、1958年に登場したスバル360は、当時庶民には高根の花だった乗用車をより身近なものにし、多くの家でマイカーを持つ夢を叶えたと紹介した。そして、当時の日本の自動車工業技術は先進的ではなかったものの、同車には実に多くの創意が盛り込まれていたとし、「破天荒とさえ言える設計だったのだ」と伝えている。

 「破天荒」なデザインの例として記事は、防水カバーがついたヘッドライト、前側から開くドア、後部フェンダー上部にある「サメのひれ」のような形をしたエンジン用吸気口、さらには、アルミ合金のタイヤホイール内に詰め込んだドラムブレーキアセンブリなどを紹介。「スバル360のデザイナーは本当に想像力が豊かだったのだ」と評した。

 その一方で、初期のスバル360は内装がいたってシンプルで、シートも非常に簡単なソファ型のデザインだったと指摘。そこからは、当時の消費者が、内装の充実よりも価格を最優先に考えていたことが伺えると解説した。そして、時間の経過とともに経済的にも豊かになり、自動車の内装へのニーズも高まってきたとし、後期モデルにはラジオをはじめとするさまざまな車内装備が追加されたとしている。

 記事は、スバル360は1970年に生産を停止し、輝ける10年あまりの歴史に幕を閉じたと紹介。「それは、日本の有名な軽自動車文化の美しい始まりだったということができる。軽自動車は今もコストの低さや省スペース性で人気が高く、ますます質感も機能性も高まっている。効率的で便利な交通ツールとして、われわれも真剣に勉強すべきかもしれない」と結んだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)