TBS<9401>は30日、楽天;<4755>が経営統合提案を取り下げ、19.09%を保有しているTBS株の一部をみずほ信託銀行<8404>に信託する方針を受け、協議開始のための覚え書きを締結したと正式に発表した。今月末に提出を予定していた楽天への回答書については、その取り扱いを留保するとしている。

 TBSの井上弘社長と楽天の三木谷浩史社長が同日午後にサインを交わした覚え書きには◆放送とネットの連携について両社で協議する「業務提携委員会」の発足◆楽天の経営統合提案の取り下げ◆協議期間中、楽天はTBS株の保有比率を10%未満に引き下げ、超過した株式はみずほ信託銀行に信託する◆楽天の最終的な保有比率は両社で協議◆協議期間は3月末とするが、延長も可能─などが盛り込まれた。

 同日夕、TBSは東京都港区の新高輪プリンスホテルで、楽天は同区の高輪プリンスホテルで、それぞれ個別に記者会見を開き、協議開始の基本合意について説明する。

 東京証券取引所の30日の終値は、TBS株が前日終値より210円(7.04%)安い2775円、楽天株が同3600円(4.32%)高い8万7000円だった。【了】

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