ルイ・ヴィトンのバッグ(資料写真)=(EPA=聯合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】韓国で人気が高く、街を歩くと3秒に1度は見かけることから「3秒バッグ」とも呼ばれたフランスの高級ブランド、ルイ・ヴィトンの売り上げが近ごろ低迷していることが13日までに明らかになった。

 流通業界によると、韓国のある百貨店の今年1〜10月のルイ・ヴィトンの成長率は前年同期比マイナス5.3%と低迷している。

 ルイ・ヴィトンと並んで3大ブランドと称されるシャネルとエルメスの成長率が、それぞれ前年比11.2%、16.5%を記録したのとは対照的だ。

 別の百貨店でも、1〜10月のルイ・ヴィトンの成長率は前年同期比マイナス2.1%だったのに対し、シャネルとエルメスはそれぞれ13.7%、17.1%の成長率を示した。

 ルイ・ヴィトンは6〜7年前までは韓国で2桁成長を続け、飛ぶ鳥を落とす勢いだったが、人気が急激に低下しマイナス成長に転じた。

 非上場の有限会社であるルイ・ヴィトン・コリアは、株式会社とは異なり売上高や純利益など主な財務情報を公開する義務がなく正確な実績は不明だが、これはシャネルコリアやエルメスコリアも同様だ。

 ルイ・ヴィトン・コリアは韓国市場に進出した当初は株式会社形態だったが、配当性向が過度に高いのに比べて韓国社会への貢献度が低いとして社会的に問題になると、2012年に寄付金などの情報を公開する必要のない有限会社に法人形態を変更した。

 しかし、このほど国会で有限会社も株式会社と同様に外部監査を受けて売上高や配当率、寄付金などの財務情報を公開するよう法律が改正されたことで、会社の内部情報が公開される危機に直面した。

 業界専門家らは、若い女性を中心に韓国で人気製品が大量に売れ、3秒バッグと呼ばれたルイ・ヴィトンだったが、あまりに普及したために希少性と差別化が命であるブランド品としての価値を失ってしまったと分析した。

 百貨店関係者は「最も人気があった200万ウォン(約20万円)台のモノグラムシリーズの人気が冷め、これに続く確実な後続作がなかったことも不振の原因だ」と指摘した。

 一方、エルメスやシャネルは主力製品の価格がルイ・ヴィトンよりはるかに高いにもかかわらず、希少性と差別化をマーケティング手段として適切に活用し、人気を維持している。

 バッグ1つ当たりの価格が1300万ウォンを超えるエルメスの場合、注文してから最低2〜3年待たないと商品が手に入らないというマーケティング戦略を守り、ぜいたく品を求める女性の欲望を上手く利用していると評される。

 エルメスのハンドバッグは、韓国前大統領の朴槿恵(パク・クネ)被告の親友、崔順実(チェ・スンシル)被告らによる国政介入事件に関わったとして今年初めに逮捕された医師の妻が、青瓦台(大統領府)首席秘書官の妻に対して贈ったことが明るみに出て話題を呼んだ。