© 2017 Disney

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2017年3月に日本で公開された、ディズニー映画『モアナと伝説の海』。

【動画】『モアナと伝説の海』未公開シーン映像!

自分の人生に迷った時、本当の自分を忘れそうになった時。

モアナはあなたに寄り添い、一緒に雄大な海を冒険してくれます。

まだ見ていない人、映画館で見てもピンと来なかった人のために、モアナがあなたに寄り添ってくれる理由をお伝えします。

然るべき時にこの映画を見れば、きっと、欲しかった答えが見つかるはずです。

今までのディズニー映画にはない、全く新しい「モアナ」という主人公

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まず、この『モアナと伝説の海』は決して映画館でリゾート体験をするための映画ではありません。

確かに最先端の技術を駆使した海や空、モアナの住む「モトゥヌイ」の村の人々など、映像に映る全てが美しく、見る人の目を奪います。

しかし、それらはこの映画の本質ではありません。

この映画は、「モアナ」という、今までのディズニー映画のヒロインの殻を打ち破った、全く新しい女の子が、勇気と、知恵と、海への尊敬を持って、世界を救い、自分自身を見つけるお話です。

モアナが直面する厳しい現実

伝説が息づく楽園のような南の島にある、「モトゥヌイ」という村の村長の娘のモアナは、将来はこの村を背負って立つ人物として、村の人々から尊敬されています。

モアナの父親のトゥイは、村、そしてモアナを守る為、荒れた海が広がる珊瑚礁の向こう側に行くことを厳しく禁じています。

海への憧れを捨てきれずにいたモアナですが、成長するにつれ、平和なモトゥヌイでの生活を愛し、伝統を守り、村のために生きることを決意します。

それは現実的な問題として、決して間違いではありません。

誰もが幸せになる、「正しい道」ですらあるかもしれません。

不漁を訴える村人たちのために、珊瑚礁を越えることを提案したモアナは父親と衝突しますが、そこではじめて父親の真意を知ります。

しかし、海に呼ばれ、心のままに船に乗ったモアナは、珊瑚礁の向こう側へ飛び出してしまいます。

そこでモアナを待ち受けていたのは、よくあるディズニー映画の冒険の始まりではなく、モアナ、そして大切なペットのプアの命までを危険に晒す、厳しい現実でした。

どのキャラクターよりも共感できる主人公である理由

今までのディズニー映画では、歌いながら旅立つと、だいたいのことはうまく行って、素晴らしい冒険の旅がはじまりましたよね。

でも、『モアナと伝説の海』ではそれは始まりません。

『ズートピア』で、夢を叶えたジュディが、うまくいかない現実を突きつけられたように、モアナの旅立ちは、散々なものです。

モアナは一見、簡単には諦めず、夢を追いかける力を持ち、人々に愛される典型的な「ディズニー映画のヒロイン」に見えます。

ですが、彼女は反発して、失敗して、悩んで、挫けてしまう、普通の人間です。

今までのディズニー映画のキャラクターたちと同じくらい眩しく輝く一方で、実はどのキャラクターよりも共感できる主人公なんです。

モアナが教えてくれた、「自分は誰であるか」という問いの答え

モアナが父親のトゥイと言い争ったあと、母親のジーナからこんな言葉を言われます。

「人はね、なりたいって思っても、できるって思っても、やるべきじゃないこともある」、と。

私は、このジーナの言葉に胸が締め付けられる思いをしました。

ジーナはとても優しく、愛を持って、モアナにこの言葉を伝えます。

彼女の言葉はひどく正しく、そして、残酷です。

どうしてそんな、本当のことを言うの? だって、これは“あの”ディズニー映画でしょう? そう思わずにいられませんでした。

そんな母を言葉を聞き、それでも、モアナの歩みは海へ向かいます。

村人から求められ、村の幸せのために生きる。

望まれ、必要とされて、自分には活躍できる自信もある。

でも、「みんな」じゃない「自分」の心が求めた歌は、遥かな海から聞こえてくる。

心の声に従い、海に飛び出したモアナを待っていたのは、命を脅かす危険でした。

それでも、モアナは、「海に選ばれた」という言葉、そして先祖の魂に導かれ、村を救うために旅立ちます。

「自分がなにを選んだか」が重要

私がこの映画を見て、強く感じたことは、『誰かに選ばれたこと』よりも、『自分がなにを選んだか』の方が、とても重要だ、ということです。

たとえ「やるべきじゃないこと」であろうと、自分で選び、決めたのなら、もうそれはやる道しかないのです。

モアナは、劇中で何度も『誰かに選ばれて』います。

父親、村人、そして海。

モアナ自身、何度も「私は海に選ばれた」という言葉を口にします。

まるで、自分自身に言い聞かせるように。

モアナは、海に住む溶岩の悪魔「テ・カァ」との戦闘の際、目論見を見誤り、船を傷つけ、モアナ自身も打ちのめされてしまいます。

そしてモアナは、「選ばれたのは私じゃなかった」と、海に伝え、旅を諦めようとしました。

そんな時、タラおばあちゃんの魂がモアナの前に現れ、モアナの心を導きます。

そこでやっと、モアナは「自分が何者か」に気付くのです。

「自分が何者か」に気づいたモアナは、「島を愛し、村人に期待される村長の娘」ではなく、「誰にも期待されなくても、前へ進むと決めたひとりの人間」です。

誰かが決めてくれた自分は、自分という存在を認識する際、ひどく楽に確かめることが出来ます。

もちろん、誰かが決めてくれた自分のまま生きることは、決して悪いことじゃありません。

でも、そこから、さらに「自分が選んだんだ」と、心から思えたら。

もう何も怖くないし、何にだって挑戦できる。

そんな勇気を、モアナは私たちに教えてくれます。

モアナは、怒り狂うテ・カァに対し、「本当の自分を決められるのは、あなただけ」と伝えます。

そう言えたのは、モアナ自身が長い旅を通して、そう学んだからではないでしょうか。

モトゥヌイにいてもいなくても、モアナがモアナであるように。

周囲が何を言っても言わなくても、自分が自分であることは揺るぎない真実です。

あなたの心に寄り添う、『モアナと伝説の海』という映画

この『モアナと伝説の海』という映画は、見る人の環境や境遇によって、まるで意味の違ってくる映画になります。

選ばれたい、愛されたい、必要とされたいという、いわゆる「承認欲求」を、私は悪いことだとは思えません。

私だって、誰かに選んでほしいけど、誰にも選んでもらえないような、しょうがない人間です。

自分で自分を選んであげることは、確かに不安で、臆病になり、怯んでしまうことです。

でも、出自や、誰の意見も関係なく、自分を一番信じてあげることができれば、モアナのようにどんな困難にも打ち勝ち、不可能だって可能にすることができるはずです。

今、『モアナと伝説の海』を見て、心が震えなかったり、感情が揺さぶられなかった人もいると思います。

そんな人にも、いつかこの映画が必要になるときが、きっと来るはずです。

特にこの現代の日本に住んでいる日本人なら、誰しも一度は来るのではないでしょうか。

人それぞれ、この映画を必要とする時期が違うだけなんです。

もしこれから先、自分を見失いそうになったり、誰にも選ばれなくて泣きそうになったりしたときは、『モアナと伝説の海』という映画を思い出して見てください。

そして、どうか忘れないでください。

モアナという勇気ある主人公が、いつだって私たちの心に寄り添ってくれていることを。

私たちはいつだって、モアナと一緒に、あの輝く海に飛び出せるということを。

モアナと伝説の海 MovieNEX

発売&レンタル開始日:2017 年 7 月 5 日(水)

4,000円+税 / 2枚組 (ブルーレイ、DVD)