ホンダの「アコードハイブリッド」(資料写真)=(聯合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】2008年のリーマンショック後の円高や09〜10年に起きたトヨタ自動車の大規模なリコール(無料の回収・修理)などの影響で韓国の輸入車市場で苦戦が続いていた日本車が調子を取り戻しつつある。

 ドイツ3社(ベンツ、BMW、フォルクスワーゲン)の主力だったディーゼル車が「ディーゼルゲート」と呼ばれる排ガス不正問題などで売れ行きが伸び悩み、日本勢のハイブリッド車(HV)やガソリン車が代わりに浮上している。
 ほぼ同じ仕様で3000万ウォン(約290万円)ほど高いドイツ車の価格設定も影響を与えているとされる。
 韓国輸入自動車協会によると、5月の日本ブランド(レクサス・トヨタ・ホンダ・日産・インフィニティ)が韓国輸入車市場に占める割合は17.22%となった。フォルクスワーゲンの排ガス不正が発覚する前の14年の10.85%に比べて6ポイント近く上昇している。
 今年5月のブランド別の販売台数ではホンダ(1169台)がBMW(5373台)、ベンツ(5063台)に続く3位に浮上し、レクサス(864台)は6位、トヨタ(852台)は7位となった。
 ホンダは08年12月以降、8年4カ月ぶりに1000台を超える好調ぶりを見せた。同社関係者は「ディーゼルゲートの後にガソリン車の人気が高まったのに加え、微小粒子状物質問題で高くなった消費者の環境意識も日本車の販売実績につながっている」との見方を示した。
 10年以降にディーゼル車を購入した韓国消費者が振動や騒音、環境などの面からディーゼル車に嫌気が差し、買い替え時期を迎えガソリン車やHVに乗り換えている。
 また、昨年と今年にBMWやベンツなどが発売したフルモデルチェンジ車の価格が仕様に比べて高すぎるとの声が上がっており、消費者の目が日本車や米国車などに向いているとの分析もある。
 BMW「520D」の新型モデルの販売価格は6630万〜7120万ウォン、ベンツの「E220D」は6460万〜6910万ウォンに達する。一方で、エンジン仕様や出力がほぼ変わらないホンダ「アコード」の価格は3500万ウォン台からで、300馬力以上の6気筒エンジンを搭載した日本勢のプレミアム車の価格も5000万ウォン程度になっている。
 業界関係者は「車種別に燃費などである程度の差はあるが、車の中核になるエンジンの性能がほぼ同じ車の価格に3000万ウォンの差があるというのは『ブランドプレミアム』と説明するしかなく、特に韓国市場でこうした現象がある」と話す。
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