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 2010年にNYC、2011年にKis-My-Ft2、Sexy Zone、2012年はA.B.C-Z、2014年にはジャニーズWESTがデビューと次々に新グループを世に送り出してきたジャニーズ事務所だが、ここ数年はストップしている。そんな折、4月上旬にジャニーズおなじみの振付師が、ジャニーズJr.たちに「もうお前らはデビューできないから、進路に迷ったら相談してくれ」と話していたことを一部メディアが報じた。

 ジャニーズJr.がジャニーズタレントとしてデビューする条件は、一部例外を除いて、「グループとしてCDを出すこと」。振付師の発言は、今までジャニーズ事務所が伝統芸のように行ってきた「CDを出してデビューする」という形態がなくなることを意味している。しかし、新たなデビュー形態は示唆されておらず、今後のデビューは当分ないという意味でもあるのだろう。

 デビュー組が正社員とするならば、Jr.は契約社員のようなもの。保証もなく、いつ切られたとしてもおかしくない立場。たとえ退所しても、公式リリースはされずにひっそりと消えて行く存在だ。だからこそJr.は、事務所のバックアップを得て大きく活躍するためにデビューを目指す。ジャニーズに詳しい芸能記者は話す。

「現在、ジャニーズJr.の在籍人数は300人近くで、多くのユニットがあります。すでに舞台などで活躍し、本家ジャニーズを超えるファンを獲得している者もいる。ところが最近は、Jr.内ユニットが増加するだけで、ファンをつけても一向にデビューの気配がない。彼らのフラストレーションは相当でしょう」

 そして、今回の振付師の発言だ。当然、ジャニーズに不信感を持ち、今後の身の振り方を真剣に考えるJr.も現れるだろう。その一つのモデルケースとなるのが、今年2月にジャニーズJr.を辞めた仲田拡輝(23)だ。

■古巣からファンを根こそぎ奪っていく元ジャニーズJr.も?

 ジャニーズJr.として人気を誇った仲田は、退社後に「百名ヒロキ」に改名。7月には舞台『ボクが死んだ日はハレ』に出演し、芸能活動を再開する。そしてなんと、このチケットはわずか1分で完売したという。

「チケットが瞬殺で完売した理由は、Jr.時代から仲田を応援してきたファンの力でしょう。仲田は一定数のファンがついてきてくれることを証明しました。デビューの道が断たれた人気Jr.が彼を真似るようになれば、人材が流出するだけでなく、ファンも同時に引き抜かれてしまう。Jr.だけでなく、ジャニーズ事務所全体の崩壊をも招きます」(前出・記者)

 昨年来からのジャニーズの地盤沈下は、ジャニーズJr.から確実に起こっているようだ。

文・安藤美琴(あんどう・みこと)※1974年東京都出身。大学在学中にフリーライターとして活動を始め、『東京ガールズジャーナル』(セブン&アイ出版)、『パチンコ攻略の帝王』などに寄稿。現在は女性向け読み物系の記者・編集者として活躍中。