野村萬斎

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 狂言師の野村萬斎が29日、都内で行われた映画『花戦さ』の完成披露上映会に登場。具体的な国名などの明言は避けつつも「文化・芸術による対話」の必要性を訴えた。

 本作は、戦国時代に圧政から町衆を守るため、暴君と化した豊臣秀吉(市川猿之助)に戦いを挑んだ花僧・池坊専好(萬斎)の姿を描いた歴史物語。この日は、中井貴一、佐々木蔵之介、佐藤浩市、山内圭哉、和田正人、森川葵、吉田栄作、篠原哲雄監督も来場した。

 上映会には高円宮妃久子殿下・絢子女王殿下もご臨席され、萬斎は「両殿下、おなりいただきありがとうございます」とあいさつ。そして客席に向かい「日本の文化がたくさん詰まっております。これからの日本の教科書というか、スタンダードになるんじゃないかというくらい文化の香りに満ちているので楽しんでいただきたい」とアピールした。

 また、秀吉に対して専好が「力ではなく花の美しさ」で戦おうと立ち上がるストーリーに絡め、「武力に対して文化や芸術の力がどれだけあるのか……」と問いかける萬斎。「今もなんだかミサイルをちらつかせているヤツがいますけど、そういうことではなく対話をする。そのための一つのきっかけに、『花』『お茶』『絵』といった『文化・芸術』があることを確信するものです」と続け、北朝鮮とは言及しなかったものの、弾道ミサイル発射を続ける同国に反発する姿勢を見せた。(取材/錦怜那)

映画『花戦さ』は6月3日より全国公開