東京の声とシンクロするTOKYO FMの番組「シンクロのシティ」。ボイス収集隊が東京の街に繰り出し、様々な人々に声をかけ、1つのテーマについてその人の意見や思いを聞き出します。その声を聴き、リスナーと共に考えるのはパーソナリティの堀内貴之。4月20日のテーマは「値切ってますか?」でした。

賃貸の物件に長く住んでいる人は、更新料や家賃を安くできること、ご存知でしょうか。大家さんが企業の場合は難しいけれど、個人の場合は更新料を下げる交渉もできるし、家賃交渉もできるんだそう。知らないだけ、やらないだけで実はたくさんのものが「値切れる」……でも東京では関西に比べて値切る人は少ないのが事実。今回は街の人に「値切ってますか?」という質問でインタビューしてきました!



「値切ってますか?」

◆三ノ輪でキャッチした31歳の女性

(東京で値切りますか?)

やりません!

(三ノ輪あたり、値切ったりできそうな気も)

お店の方と顔なじみにはなるんですけど、それで値切ってっていうのは勇気がない。私は値切れないんですけど、ご高齢の方はまとめ買いして、「安くして!」って言っているのは見ます。やっぱり悪いなっていう気持ちが強いですね。元々下町は安いので、今の値段で満足してます。

(家電や、家賃は?)

ないですね、今まで。安くなっていくらですって言われちゃうと、それを信じてそれ以上安くはできないというか、勇気もないですね。

(遠慮?)

そうですね。

(家電とか値下げしたくならないですか?)

値下げするということが、元々頭になくて。

(目の前で誰かが値下げしてもらってたら?)

そうですね〜、なかなか性格的に言い出せないと思います。

◆赤坂でキャッチした60代の男性

今は値切ってません!

(今はと言いますと?)

過去20年以上前に関西にいたことがありまして、そこでは値切るのが挨拶みたいにやっていましたけど。

(こっちは違いますか?)

こっちはなんか変な顔されたりして〜(笑)。なんですかね、文化なんですかね。東京ではどちらかというと店を変えるというか、その中で安いモノを購入するのがこちらのやり方だと思うんですけど、そこらへんが大阪とはだいぶ違いますよね。

歳をとってきたってこともあるんだろうけど、うちの嫁も京都出身なんですが、やっぱりこっちに来て値切らなくなりましたもんね(笑)。

(変わるんですね)

もうなんか恥ずかしい!って(笑)。来た当時はとりあえず交渉するっていうのは基本でしたけど、20〜30年経つと値切らなくなりましたね。

(サービスを乗っけることってありますか?)

それは関東多いと思いますね。サービス付けて金額は同じで。でもまぁダイレクトに、安くしてもらったほうが嬉しいですけどね(笑)。

◆目黒でキャッチした51歳の女性

(値切るということをされたことは、ありますか?)

ほとんどないです。八百屋さんでもほとんど値切れません。

(それは、なぜ?)

断られたら恥ずかしいかなと思って。最初の一言が出ないタイプの人間なんで。

(値切れたらいいなと、思うこともありますか?)

食べ物はそんなにないんですけど、今、まさに家賃の交渉をしようとしてまして。大体15年目くらいなので、安くなったらいいなと思って。はい。

(それは、更新のタイミングでということですかね?)

はい、そうです。16年目に入るので、更新のタイミングでということで。

(16年間、一度も交渉をされたことはないんですか?)

そうなんです。一度もないんです。もともとお安かったのでこんなもんかなと思ってたんですけど、巷ではみんな値切ってるらしいので、値切ってみたいなとは思ってるんですけど。ネットとかでも、みんな値切ってるとか書いてあったので、そう思いました。

(出身はどちらですか?)

兵庫県です。値切る人は、値切るみたいですね。私はあんまり値切らないんですけど、言えばわりと気さくなんで、してくれると思います。

(値切るということに対して、どう思いますか?)

“値切る”は、得した感じもしますけど、相手があるので、ちょっとそのへんを考えちゃうところがあります。自分のことだけを考えれば得した気持ちになりますよね。値切るって。

◆品川駅でキャッチした27歳の男性

(最近値切ったことはありますか?)

家を退去する時に、退去費用を値切ったことはあります。数千円くらいのものですよ。

(例えば、家電とか値切ったことはありませんか?)

最近は、家電のお店で買うことがなくてネットのお店で買うことが多いので、安いところを見つけちゃうという感じですね。

(交渉された時に、すんなり値切れました?)

すんなりというか、結構話し合いになることが多いですよね。

(それを面倒くさいなと、思われたりはしませんか?)

それは、あんまり思わないですね。やれるんならやっちゃおうかなって感じですね。何かを値切ろうという感じではなくて、買う時に聞いてみようかなという感じですね。

(値切るということに抵抗はないですか?)

ないですね。特に。

(出身は東京ですか?)

東京です!

◆三ノ輪でキャッチした42歳の女性

あります! 電子レンジかな。「前の店のほうが安かった、お願い!」とか。確か1000円くらい安くしてもらったんですよね。値切った割には、忘れちゃったんですけど……(笑)。

(ジョイフル三ノ輪とか安くしていただけけそうな!)

野菜とか傷んでたりすると「傷んでるからちょっと安くしてよ!」 とか。常連になって会話もあると、人を見て言える人には言えます。怖そうだと、素直に払っちゃいます!(笑)

(いつも行くお店と、初めてのお店、どっちが値切りやすいですか?)

いつも行ってコミュニケーションをとっていると、値切りやすいですよね。

(お店の空気を読んで)

そうそう、様子をうかがって!(笑)

◆学芸大学でキャッチした40代のご夫婦

値切ることはありますね。家電とか、現物しか無いってモノは、特に気にならなかったら「イイ感じの値段にまとめてもらえたら買いますよ〜!」とか(笑)。

あんまり細かいので値切ったりはしないです。どちらかというと、大きい買い物で何千円とかカットしてコナラしてってやってますけど(笑)。

(コナラしてとは綺麗にして?ってことですか?)

角が立たない数字にしてね!みたいな(笑)。「ゼロで落として!」って言うと「がんばりましょうか〜」って言ってくれるところ、結構ありますけど。

(家電の現品って面白いですね。値切れるポイントでしょうか!)

家電に限らず、中規模のお店だと在庫残したくないので、交渉次第でかなり引いてくれると思いますよ! 付いてくれた人がホール主任とかだと交渉しやすいみたいな(笑)。

(東京って、マケてもらいやすいと感じます?)

あのね、こっちもマケて欲しくて言ってない場合もあるんですよ。話の中のノリでね!(笑)。そういうのを関西の人だったら話を盛り上げるネタとして理解してもらえるんだけど、東京の人は顔引きつる人いるなって(笑)。車と家は逆に値切らないですね。値切るのは高いと思う時だけ。何でもかんでも値切る訳ではないです。なんか意味無く高い! とかあると、コナラしてよ〜ってね!

最後に、お店の人側の声も。

◆学芸大学で50年以上! 八百屋「山手果実店」

(東京で値切られたりってありますか?)

あまりないですね〜、フフフ(笑)。よく研究していますよ値段を。あそこいくら、此処いくらって。

もうちょっと安ければ買えるんだけど〜ってそういう駆け引きならありますね。お客さんのほうから「マケてよ〜」とは言われないね、あんまり。

【値切りはお互いの良好な関係から成り立つモノ?】

メールで寄せられた意見も「そもそも東京には値切るという観念が存在していない」というものが多かったこの日のオンエア。やはりコミュニケーションの取り方や買い物に対する感覚が、地域や時代によって違うのではと感じました。

堀内貴之は「最近はメルカリを始めネットで色々とものを買うような世の中になってきて、顔の見えない人同士での値切り合戦もあるようですね。でも基本は面と向かって、相手の空気を読みながら、よもやま話をしながらイイ感じの空気になってちょっと安くしてもらって、お互い良い気分になるのがベストなんじゃないかな」とコメント。値切りには、状況や相手との関係性が大切になってくるのかもしれませんね。

<番組概要>

番組名:「シンクロのシティ」

放送日時 :毎週月〜木曜15:00〜16:50

パーソナリティ:堀内貴之、MIO

番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/city/