『突然ですが、明日結婚します』公式サイトより

写真拡大

 2月20日放送の西内まりや(23)主演の月9ドラマ『突然ですが、明日結婚します』(フジテレビ系)が、またまた最低視聴率を記録している。今回放送の視聴率は、6.2%(ビデオリサーチ調べ・関東地区・以下同)で前回の6.6%からさらに降下した。放送されるたびに、最低視聴率更新が話題になっている。

「フジテレビの女優主演のドラマが爆死しています。『突然ですが、明日結婚します』もそうですが、小雪(40)主演の『大貧乏』(フジテレビ系)も同様です。裏番組の『A LIFE〜愛しき人〜』(TBS系)に視聴者を奪われ、4%台を記録することもあります」(芸能記者)

 また、今期のドラマで月9ドラマと並んで“厄介な状態”になっているのが、香里奈(32)主演の『嫌われる勇気』(フジテレビ系)だ。同作は原案の元となっているアドラー心理学について「一部の概念が一般的な理解とは異なる」と、日本アドラー心理学会が指摘。放映の中止か、脚本の大幅な見直しを求められてしまった。これに対しフジテレビは、放映中止はないし、脚本のバランスを考えながら制作を進めると説明した。

 本作は香里奈にとって、2015年放送の『結婚式の前日に』(TBS系)以来の主演作だ。2014年に写真週刊誌『フライデー』(講談社)に“大股開き写真”が掲載されて以降、急落したイメージを立て直す最中の香里奈にとっては予想外の痛手となっている。

 一方で、好調なドラマもある。

■キーパーソンはあの映画監督か

 視聴率面では吉高由里子(28)主演の『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)が、安定した数字を残している。現在1ケタ視聴率が並ぶ連続ドラマの中でも、本作は2ケタをキープ。さらに22日放送の第6話では、初回視聴率に次ぐ12.5%の高視聴率を記録している。

 また、中には視聴率そのものは良いとはいえないものの、固定ファンが多いとされているドラマもある。松たか子主演の『カルテット』(TBS系)だ。本作は主演の松はもちろんのこと、メインキャストである満島ひかり(31)や高橋一生(36)、松田龍平(33)といった若手実力派俳優陣が顔を揃えている。そのため視聴者の中には「安心して見れる」という声もあるようだ。

「『タラレバ』と『カルテット』のキャスト陣の共通点しとして、映画監督の園子温(55)の秘蔵っ子がそれぞれ出演しているということがあげられます。『タラレバ』は吉高、『カルテット』は満島ですね。どちらも園式のスパルタ指導の元、現場で叩きあげられていることもあり、演技には定評があります。また彼女らは、撮影現場やスタッフに対する配慮が行き届いているという声も聞きます。自分だけでなく、関係者総出で制作していることを肝に銘じ、鋭く察知している部分があるようです。これも厳しい現場で鍛えられた感性なのかもしれませんね」(ドラマ制作関係者)

 明暗を分ける今期のドラマ達。人気の秘訣は、ストーリーや話題性以外にも隠れているのかもしれない。

文・海保真一(かいほ・しんいち)※1967年秋田県生まれ。大学卒業後、週刊誌記者を経てフリーライターに。週刊誌で執筆し、芸能界のタブーから子供貧困など社会問題にも取り組む。主な著書に『格差社会の真実』(宙出版)ほか多数。