日本最大級のモノづくり(DIY)展示発表会「Maker Faire Tokyo 2016」が東京ビッグサイトにて開催されました。



会場にはロボット、3Dプリンター、電子工作、自作楽器、航空・宇宙関係……etc. ありとあらゆるジャンルのDIY作品が盛りだくさん。まさに発明と創造のお祭りでした。さっそく、筆者が気になったオモシロ作品を紹介していきましょう。



おバカマシーンからオシャレグッズまで、さまざまな作品が



●飛んでいくお札


羽はついていないのですが、お札が飛んでいる様子がバカバカしくも面白い。お金が飛んでいく(財布から出ていく)のを見るのは辛いですよね……。

●自動キュウリ選果マシーン「CUCUMBER-9」


キュウリのサイズ・曲がり具合・傷の有無・色つやなどの判断を、人工知能にやらせてみるプロジェクト。キュウリを乗せるとカメラで撮影、等級の判断をおこない、それぞれの場所へ分別します。作ったのはキュウリ農家さん。

●有機野菜水槽クリエーション Agrium[アグリウム]


熱帯魚や水草を観て楽しむアクアリウムから一歩進んだ、新しいコンセプトのインテリア。鑑賞だけでなく、自分で育てた有機野菜やキノコを収穫して楽しむこともできます。

●電子部品アクセサリー「さのもの」


基板などの電子部品をアクセサリーにした作品。ハートやリボンの形もあり、意外とかわいいです。

●懺悔ボタンつき体重計


ボタンを押しながら乗ると、目盛りがマイナス3kgで表示される体重計。「懺悔の気持ち」を大いに感じながら乗りましょう(笑)

●雑誌「マー」自動ジェネレーターシステム


写真を入力するだけで、どこかで見たことがあるような、雑誌の表紙と記事をつくりあげるシステム。生成には最新のディープラーニング技術を利用しているそうです。『ついに無煉髄学の時代が終わる』、『心理遺伝の式の世界』など、それらしいキーワードがちりばめられていますが、よく見ると意味不明ですね(苦笑)。

「男の人ってこういうの好きでしょ」 男心くすぐる作品も



●木のショベルカー


「木の歯車工房」の作品。レバーを操作するとショベルが動きます。


連射ゴム銃の実演も見せてもらいました。これまた男心をくすぐるカッコよさ!

●Parallelcaster


6つの独立したピックアップで弦ごとに音を拾い、別々にアウトプットできるギター。弦ごとに異なったエフェクトをかけることも可能だそうです。

●サイン波Tシャツ、三角波Tシャツ


黒地に波形が書かれたTシャツ。シンプルなデザインがオシャレです。

●マグネットシンセサイザー


冷蔵庫に貼りつければ、たちまちシンセサイザーやミキサーに早変わり。ただし音は出ません。

●電子箱庭「のらぴか」シリーズ


「スイッチの感触が心地よい」「LEDがキレイ」といった、小さな感動をおもちゃにした作品。理系ゴコロをくすぐられるデザインです。

●自作無隔膜衝撃波管「エグゾーストキャノン」


圧縮した空気を爆音とともに瞬間的に開放する、強力な空気砲。実演も見せていただきましたが、なかなかの衝撃音でした。

カップケーキや人の身体まで! 奇想天外な楽器の数々



●電子楽器「ウダー」


「ウダー」。らせん状に巻かれたロープを指で押して演奏します。なんとも言えない、優しい音色です。

●NICOS LAB×和田永「扇風琴」


役割を終えた家電を、楽器としてよみがえらせる活動を行っている「エレクトロニコス・ファンタスティコス!」の作品。扇風機に光源とオリジナルの円盤を装着し、回転によって起こる光のチカチカを電気的な波(=音)に変えて演奏します。


アフリカ風や沖縄風のメロディーを奏でる扇風琴もありました。

●ドラムカップケーキ


お菓子で電子回路をつくるユニット「BreadBoard Baking」の作品。カップケーキに電極が刺さっています。フォークで叩いてみると、たしかにドラム音が鳴りました。思わず食べたくなるカワイさ。でも残念ながら試食は不可でした。

●ウェアラブルシンセサイザー「Cardiaction !」


着用者の心電波形と筋電ノイズのみから音源を生成し、体幹や腕をタップすることにより演奏します。着ている人や体調によって音が変化するそう。ファッションとしてもカッコいいですよね。

●モジャラー・シンセ


パッチケーブルが複雑に入り組むモジュラーシンセに憧れて、モジャっとしたミキサー付きラックを作ってみた、とのこと。その気持ち、分かりますよ。

「発表会でチーンてするやつ」、「迷子発見支援装置」など、便利(?)な作品も



●PC8001 Bluetoothキーボードつくってみた


筆者も実際に打ってみましたが、キータッチがなんとも懐かしい! 当時はF5キーまでしか無かったのですね。

●「無駄な抵抗」コースター


コルクのコースターに描かれた、抵抗器の図記号と「無駄な抵抗」、「抵抗勢力」などの文字。電子機器好きにはたまらない!?

●発表会で“チーン”ってするやつ


PCのアプリケーションと連動、指定した時間にベルを“チーン”と鳴らしてくれる機械です。時間は1鈴から3鈴まで自由に設定可能。意外と実用的かも?

●迷子発見支援装置


迷子発見センターに電話をかけると、子どもの帽子からクラッカーが自動で打ちあがり、居場所を知らせてくれます。



●ヨガ盆栽


一人でヨガは寂しい、そんな方におすすめなのが「ヨガ盆栽」。あなたと一緒にヨガをしてくれます。実演してもらおうと思ったのですが、あいにく骨折中でした。

●SmileMachines (スマイルマシンズ)


顔文字のように、自分の代わりに感情を表現してくれる装置。作者によると、「クラフト品の即売会に出たいが、コミュ障だ →大変つらい。そもそも表情筋っている? 顔文字でもまあまあ伝わるよ →自分の代わりに表情を作ってくれる装置を作ってみた」とのこと。

●ハイブリッド・リコーダー・パイプオルガン


リコーダー(たて笛)を音源とする、かわいいパイプオルガンです。ポンプからの空気と電子制御により演奏。リコーダーの穴をふさぐことで音階を設定しているようです。

●無線電波を可視化した、ハンドメイドの立体模型


目で見ることができない無線電波を可視化した、手づくり立体模型。屋内配線用ビニル絶縁電線を使用し、ひとつひとつ手で折り曲げて周波数スペクトラムを組み上げています。発想はバカっぽいけど、アート作品ですねコレは。

会場の一角にはステージがあり、プレゼンやパフォーマンスが行われていました。初日の最後は、和田永さんによる「ブラウン管ガムラン」と「ボーダーシャツァイザー」の演奏。観客も巻き込んだパフォーマンスに大きな拍手が起こっていました。



「いやー、モノづくりって、本当にいいもんですねー」と思わずつぶやきたくなる作品の数々。不器用な筆者も「何かつくってみようかな」と思わせる熱気につつまれた展示会でした。