8月に入り、日本ではまもなくお盆の帰省ラッシュを迎える。飛行機や自動車とともに、帰省ラッシュを支える重要な交通手段が新幹線だ。新幹線は1964年に日本が世界に先駆けて営業運転を開始した高速鉄道だが、50年が経過した今では、中国を始めとする多くの国で時速300キロメートル前後の高速鉄道が走っている。(イメージ写真提供:123RF)

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 8月に入り、日本ではまもなくお盆の帰省ラッシュを迎える。飛行機や自動車とともに、帰省ラッシュを支える重要な交通手段が新幹線だ。新幹線は1964年に日本が世界に先駆けて営業運転を開始した高速鉄道だが、50年が経過した今では、中国を始めとする多くの国で時速300キロメートル前後の高速鉄道が走っている。

 中国メディア・今日頭条は6日、世界の10大高速鉄道を紹介する記事を掲載した。記事は、高速鉄道を「日本で生まれ、欧州で発展し、中国によってその構図が大きく塗り替えられた」とするとともに、これまでにすでに15を超える国・地域が高速鉄道を所有していると紹介した。

 そのうえで、第10位から第4位までを台湾高速鉄道(THSR)、トルコの高速鉄道、英国のHST、韓国のKTX、イタリア高速鉄道、スペインのAVE、ドイツのICE、フランスのTGVの順に挙げた。

 そして第3位をフランスのTGV、第2位を日本の新幹線、そして第1位を自国である中国の和諧号としている。日本の新幹線は高速鉄道の創始者であるとともに、総延長が2834キロメートルにまで到達していることを上げ、TGVは「日本が鉄道の高速時代の幕を開け、フランスが競争力を持った現代の交通ツールであることを証明し、高速鉄道を徐々に普及させた」と評している。

 そして、中国高速鉄道を1位に選んだ理由として「後発者であるものの、1万6000キロの総距離に加えて、高速鉄道を大衆向けに普及させた」という点を挙げている。また、米国、ロシア、タイ、シンガポール・マレーシアの高速鉄道など中国高速鉄道の技術が世界に広がっており「将来、必ずや世界をリードするだろう」とした。

 記事は最後に、中国高速鉄道の技術について「後発者の優位性でもなく、中国人が他国人より優秀ということでもなく、中国が誇る膨大な高速鉄道ネットワーク、乗客数、複雑な運行環境といった客観的な実践によって立派な規格ができ、最高の技術が生み出されるのだ」と論じている。

 高速鉄道は本来交通手段の1つであり、自国民を主体とする市民の利便性向上が第一に考えられるべきものだ。しかしそれは、しばしば国の経済力や技術力を誇示する道具としての役割を付与されることとなる。それが現在の中国による高速鉄道の世界進出が持つ1つの側面と言えるだろう。ランキングの是非はさておき、最後の部分の論理は的を射たものではないだろうか。実践は「真理を検証する唯一の基準」であるとともに、発展や向上に欠かせないプロセスなのである。驕り高ぶらず、かといって卑屈になることなく、粛々と実践を積んでいくのみだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)