夏といえば、納涼! というわけで、どうしてもオバケや妖怪が連想されてしまいますが、そんな中にも愛すべき妖怪がいることを、我々は水木しげる先生から教わっています。

「今日は母と一緒に水木をここに連れて来ております」


本日(7月26日)〜8月29日まで、サンシャインシティでは「体感妖怪アドベンチャー GeGeGe 水木しげるの大妖界」を開催しています。
これは、水木先生が描いた妖怪とのふれあいを通じ、日本人の心の奥底に染み付いた“見えないものへの恐れ”を感じる、体感型の妖怪テーマパーク。鳥取県境港市の「水木しげるロード」と同じブロンズ像が並ぶコーナーや、最後まで描き込まれた妖怪画、屋敷や森を歩きながらそこに潜む妖怪と出会えるインタラクティブなゾーンなど、様々な手法で演出された水木しげるの妖怪の世界を体感することができるそうです。

同展の内覧会が昨日に行われており、私も行ってきました!


当日は、鬼太郎、猫娘、ねずみ男、オフィシャルサポーターの篠原信一さん、「水木プロダクション」社長の原口尚子さん、水木しげる先生の奥様で原口さんのお母様であり“ゲゲゲの女房”としてお馴染みの武良布枝さんが登場してくれました。


「東京は7月がお盆でして、水木がこないだ新盆で家に帰ってきて楽しく家族と過ごしたんですけど、『ちょっと待ってね、このイベントがあるからまだ帰らないでね』と水木を呼び止めまして、今日は母と一緒に水木をここに連れて来ております。先程も篠原さんの顔を『オォォーッ』ととても興味深そうに眺めておりましたし、母と一緒に展示を見てとても喜んでおりましたので、きっとこの会場にいてずっと見守ってくれるんじゃないかなと思います」(原口さん)


「本人が生きていたらさぞかし喜んでいると思います。ここに来ていると私は信じておりますので、とても今この時をとてもうれしく思っております」(武良さん)


「奥様は私の顔を見て『なんて素晴らしい顔立ちなんですか!』とおっしゃってくれたんですけど、水木先生は『こんな妖怪は描いたことないな。見たことないな』と不思議がって私のことを見てくれていたんだろうなと思います」(篠原さん)

ここで、“妖怪最強”と言われているぬらりひょんが登場! かつて、篠原さんは「ぬらりひょんと闘いたい」とコメントしていたことがあるそうで、「妖怪と人間、どっちが強いのか?」と闘いの場が設けられたのです。


結果は、得意の大外刈りで篠原さんの勝利!
「最強のぬらりひょんを倒しましたので、安全に中を見ることができます。ぜひ皆さんにドシドシ来ていただいて、『GeGeGe水木しげるの大妖界』を楽しんでいただきたいなと思います」(篠原さん)

水木先生による妖怪画を見たり、屋敷や森に潜む妖怪と遭遇したり……


というわけで、中を見ていきましょう。



会場内は、水木先生肉声入りの音声ガイダンスに従って順路を回ることができます。



いきなり出くわすは、「鬼太郎の誕生」です。


不治の病で死に、葬られた母のお腹にいた赤ちゃんが鬼太郎。強い生命力にあふれた鬼太郎は、嵐の夜に自分で墓の下からはいでてきたそうです。

「日本の妖怪たち」なるコーナーでは、水木先生による妖怪画の数々が展示されています。




また、妖怪の影が浮かび上がるオブジェと解説が展示されるコーナーも。



「妖怪屋敷」コーナーでは、日本の古い屋敷に潜む色々な妖怪を紹介します。まず、こちらは疫病神。


座敷わらし。


ボロボロに荒れ果て、何年も人が住んでいない家に人が入って来ると、数えきれない目玉が障子に現れることがある。これは「目目連」という妖怪のしわざだそう。


人が通り過ぎようとすると、その位置の目玉が光ります。

さて、一息つきましょう。とは言っても、恐ろしい。合わせ鏡の禁忌は古くから伝えられていますが、ここは無数の鏡で形作られた「無限六角堂」です。


撮影スポットとして最適かもしれません。

妖怪たちがひそむ不思議な森「妖怪の森」へたどり着きました。まずは、おなじみ「ぬりかべ」がドドーン! と登場します。


こちらは「見上げ入道」。


「大かむろ」の前に立つと、“プシューッ!”と突風が体に吹いて来ます。雨戸の辺りで大きな音がしたので障子を開けると、大きな顔した「大かむろ」がニューっと現れたりするそうです。


一方、和歌山県熊野の山の中で今も生き続けているという一本足一つ目の妖怪「一本ダタラ」からは白煙が放たれ続けていました。


野原で野垂れ死にした人たちの恨みが集まって巨大な妖怪となった「がしゃどくろ」。夜になると骨のきしむ音をさせながら歩き、人を見ると襲ってくるのだそう。


目がピカピカ光ってるのが、恐いです。

「冥界ワールドツアー」コーナーでは、世界の妖怪たちが紹介されていました。



フロリダ島には、鼻の軟骨に穴が開いているかを調べる妖怪がいるのだそう。


カナダ・エスキモーの妖怪。


アフリカの妖怪。


中国の妖怪。



これらを抜けると、おみやげショップへと行き着きます。





また、非売品ですがレア物もたくさん展示されています。





この部屋には、一反木綿に乗って撮影できるコーナーも設置。


100kg以上ある篠原さんも、この通り!

建物外には「GeGeGe 氷怪堂」なる特設ショップもオープンしていました。


ここでは、妖怪にちなんだスイーツをいただくことができます。





……と、まさに納涼にふさわしいプログラムとなっている同展ですが、恐いだけでなく妖怪たちとふれあいも満喫することができます。また、武良さんと原口さんが「水木がこの会場を見守ってくれている」と言っていたし、きっと水木先生ともふれあうことができるはずです。
(寺西ジャジューカ)