世界最大の自動車市場である中国で日系車の販売が好調だ。日系自動車メーカー各社は販売を大きく伸ばしており、中国の消費者に広く支持されるようになってきていると言えるが、日系車は結局のところ、中国人消費者にとって良い車なのか、それとも良くない車なのだろうか。(イメージ写真提供:123RF)

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 世界最大の自動車市場である中国で日系車の販売が好調だ。日系自動車メーカー各社は販売を大きく伸ばしており、中国の消費者に広く支持されるようになってきていると言えるが、日系車は結局のところ、中国人消費者にとって良い車なのか、それとも良くない車なのだろうか。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、日系車の安全性、エンジン、操作性という要素について分析する記事を掲載し、100点満点中87点という高得点を日系車に与えた。

 記事は最初に日系車の安全性について分析。自動車の安全性はボディの鋼板の厚さでは測れないと指摘し、日系車は衝突部位で衝撃を吸収する設計であることを紹介。逆に日系車以外には衝突部位で衝撃を吸収できないために車内にまで衝突のエネルギーが到達し、乗員にダメージが生じる車もあると指摘したうえで、こうした点から日系車が安全でないという噂は間違っていると論じた。

 続いてエンジンに言及、日系車のエンジンの特長は何と言っても「低燃費」にあると説明。日系メーカー各社が独自の低燃費エンジンを開発していることを指摘。中国の平均所得に対するガソリン価格の水準は決して安くはなく、各ドライバーにとって給油は大きな出費につながる。自動車を1つの交通手段として利用している中国のドライバーにとっては低燃費は日系車の大きな魅力の1つであることは間違いないだろう。

 最後に操作性について分析、日系車は車重が軽いためハイスピードで運転している時の安定性はドイツ車には及ばないと主張、コーナリング中の操作性についても同様のことが言えると説明する一方、近年の日系車はこうした点が改善されつつあり、操作性を重視した車種が増えていることを紹介した。

 記事は、「反日感情を抜きにして言うなら」と前置きしつつ、「日系車はすばらしい自動車」と高く評価。操作性や車内の静音性に若干改善の必要があると指摘しつつも、これらは大きな問題ではないと評価したうえで、100点満点中87点はつけられると論じた。

 中国国内では、日系車は中国自主ブランド車に比べて塗装の質が高く、錆びにくいというクチコミもあり、日系車に好感を持つ中国人は増えている。自動車はうまく利用すれば生活の質を大きく向上させることができるが、事故によって生命が危険な状況に置かれるという一面もあることは事実だ。安全性は自動車が有しているべき非常に重要な性能であり、日系車の安全性の高さが中国で広く認知され始めたことも、日系車の販売が復調してきた理由の1つだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)